INCUDATA Magazine_000613_ビッグデータをわかりやすく解説!注目される背景・メリット・課題・具体的な活用事例についても紹介

ビッグデータをわかりやすく解説!注目される背景・メリット・課題・具体的な活用事例についても紹介 -

目次

日々の生活の中で、交通系ICカードの乗車履歴やSNSのコメントなど、さまざまなデータが大量に蓄積されています。これらのデータを活用することで、どのようなビジネスチャンスや新たな視点が見えてくるのでしょうか?

マーケティングの現場で日々取り組む企業のご担当者様も、新たなデータ活用の動きやその重要性を感じているかもしれません。しかし、「ビッグデータって具体的に何を指すの?」や「実際のビジネスにどう役立てられるの?」と疑問を持っている方も多いことでしょう。

マーケティング担当者として、これからの時代をリードしていくためには、ビッグデータの理解は不可欠です。

そこで今回は、ビッグデータの基本的な概念から、その注目される背景、メリット、課題、そして具体的な活用事例までをわかりやすく解説します。

ビッグデータをわかりやすく理解するための前提知識

ここでは、ビッグデータをわかりやすく理解するための前提知識について解説します。

    • ビッグデータの特徴
    • 総務省による定義
    • 構成されるデータの種類
    • ビッグデータの具体例

それでは、1つずつ解説します。

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ビッグデータの特徴

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ビッグデータとは、その名の通り、膨大な量のデータ群のことを指します。ビッグデータの特徴は、通常「3つのV」として知られるVolume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度・頻度)の3つです。

Volumeはデータの量の多さ、Varietyはデータの種類の多さ、Velocityはデータが生成・収集されるスピードを指します。そして、更なる進化として、Veracity(正確性)とValue(価値)の2つが特徴として加わり、合わせて「5つのV」とも言われるようになりました。

Veracityはデータの信頼性や精度を、Valueはそのデータから引き出せる価値や利益を示しています。これらの特徴を持つビッグデータは、現代ビジネスや研究の場での活用価値が非常に高いとされています。

総務省の定義

総務省の定義によれば、以下の4つからビッグデータは成り立っているとされています。

1)政府:国や地方公共団体が提供する「オープンデータ」
2)企業:暗黙知(ノウハウ)をデジタル化・構造化したデータ(「知のデジタル化」と呼ぶ)
3)企業:M2M(Machine to Machine)から吐き出されるストリーミングデータ(「M2Mデータ」と呼ぶ)
4)個人:個人の属性に係る「パーソナルデータ」

構成されるデータの種類

ビッグデータは、その形式や特性により、主に「構造化データ」と「非構造化データ」の2つのタイプに分類されます。

まず、「構造化データ」とは、一定の構造やフォーマットを持つデータのことを指します。具体的には、データベースのテーブルやエクセルのように、列や行に整然と整理されているデータです。これらは事前に定義されたフィールドやカテゴリに従って格納されるため、検索や分析が比較的容易に行えます。

一方、「非構造化データ」とは、特定の形式を持たないデータを指します。これには、テキストファイルや画像、動画、音声ファイルなどが含まれます。ソーシャルメディアの投稿やWebページのコンテンツ、電子メールなど、日常生活で出会う多くのデータは非構造化データとして扱われます。これらは、固定の構造がないため、分析や処理には特別なツールや技術が求められることが多いです。

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ビッグデータの具体例

ここでは、ビッグデータの具体例を紹介します。

まず、ビッグデータのうち構造化データは一定の形式を持ち、データベースに整理されやすいデータです。具体的には、コンビニやスーパーのPOSデータや顧客情報、日々の在庫や各種統計といった、特定の項目やカテゴリに分類される情報がこれに該当します。

一方、非構造化データは固定の形式がなく、多岐にわたる情報を含みます。例として、SNSの感想や評価、監視カメラの映像、GPSからの位置情報、デザインのデータ、センサーの読み取り情報、そして各種文書データ(企画書・見積書)などが挙げられます。これらは形式がバラバラで、そのままではデータベースに収めにくい特徴があります。

このように、ビッグデータはその形式や内容によって大きく2つのカテゴリーに分けられ、それぞれ異なる取り扱いや分析方法が要求されます。

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ビッグデータが注目される背景をわかりやすく説明

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ここでは、ビッグデータが注目される背景をわかりやすく説明します。

    • インターネット普及によるデータ増大
    • コンピュータのデータ処理能力の向上

それでは、1つずつ説明します。

インターネット普及によるデータ増大

1つ目は、インターネット普及によるデータ増大です。

インターネットの普及以前、データは主に紙媒体や特定のデータベース内に限定されていました。しかし、インターネットが世界中の人々に浸透するにつれ、その上での活動量が増大します。これにより、ウェブサイトの閲覧履歴、SNSの投稿、オンラインショッピングの取引記録、電子メールのやりとりなど、膨大なデータがリアルタイムで生成されるようになりました。

このように、日常のあらゆる活動がデジタル化されることで、その全てがデータとして蓄積される時代に突入します。これが「ビッグデータ」という概念の誕生と、その重要性を高める要因となったのです。つまり、インターネットの普及はデータの生成・蓄積のスピードを飛躍的に加速させ、それに伴いデータの解析や活用の方法に新たなアプローチが求められるようになり、ビッグデータの取り扱いが注目されるようになりました。

コンピュータのデータ処理能力の向上

2つ目は、コンピュータのデータ処理能力の向上です。

従来、データの収集・蓄積・分析は非常に手間がかかるものでした。しかし、近年のIT技術の急速な発展によって、以前は考えられなかったほどの大量のデータを迅速に収集・蓄積・分析することが可能となりました。

このような技術の進歩は、ビッグデータを事業の中核として活用する動きを後押しします。企業や研究機関は、大量のデータから新しい知見や価値を生み出すことが将来的な競争優位性を保つポイントであると認識をし、ビッグデータへの注目が高まったのです。

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ビッグデータのメリットをわかりやすく解説

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ここでは、ビッグデータのメリットをわかりやすく解説します。

    • 高度な予測が可能
    • 複雑な状況の現状把握が可能
    • 意思決定の質の向上

それでは、1つずつ解説します。

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高度な予測が可能

ビッグデータのメリットの1つ目は、高度な予測が可能なことです。

例えば、小売業界における商品の需要予測です。従来は過去の売上データや季節の傾向に基づいて経験や勘もまじえて予測を行っていましたが、ビッグデータの導入により、SNSのトレンド、気象情報、地域のイベント情報など、多岐にわたるデータを一度に分析することが可能となりました。これにより、より的確な商品管理が実現できるようになります。

また、交通量の多い地域でのイベント情報をもとに、特定の商品のプロモーションを計画することもできます。これらの精緻な予測は、企業の効率的な経営をサポートし、利益の最大化をもたらす要因となっています。

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複雑な状況の現状把握が可能

ビッグデータのメリットの2つ目は、複雑な状況の現状把握が可能なことです。

例えば、顧客行動や市場の動向のより正確な把握が可能となります。従来、顧客の購買行動や市場の動きは、アンケートや販売データなどの限られた情報をもとに分析されていました。

しかし、ビッグデータの導入により、SNSの投稿や閲覧履歴、位置情報など、従来は取得困難だった多様なデータをリアルタイムで収集・分析することができるようになりました。この結果、ある商品に関心を持った顧客が最終的に購入するまでの過程や、特定の市場の動向を時系列で詳細に追うことができるようになります。

これにより、企業は顧客のニーズを的確に捉えた商品開発や、市場の変化に迅速に対応するマーケティング戦略を立てることが可能となり、競争力を高めることができます。

意思決定の質の向上

ビッグデータのメリットの3つ目は、意思決定の質の向上です。

従来、経験や勘が重要な役割を果たしてきた意思決定ですが、ビッグデータを活用することで、客観的なデータにもとづいた正確な判断が可能となってきています。

具体的には、ビッグデータの分析により、現在の市場の動向や顧客の行動、さらには将来のトレンドや変化を数値やグラフとして可視化することができます。これにより、経営者やマーケターは、曖昧な情報や主観にもとづく判断を避け、客観的なデータに基づいて戦略を策定することができるのです。

このアプローチは、企業がより迅速かつ正確に市場の変化に対応するための道を開くとともに、リスクを最小限に抑える意思決定につながっています。

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ビッグデータを扱う上での課題

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ここでは、ビッグデータを扱う上での課題について解説します。

    • プライバシーの侵害の可能性
    • ビッグデータを扱うスキル不足
    • 効果が出ない場合もある

それでは、1つずつ解説します。

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プライバシーの侵害の可能性

ビッグデータを扱う上での課題の1つ目は、プライバシーの侵害の可能性です。

ビッグデータの特徴のひとつである「多様性」は、さまざまな種類のデータを組み合わせて解析することを可能にします。しかし、この多様性がもたらす恩恵と同時に、プライバシーに関するリスクも伴います。

例えば、単独では個人を特定できない情報であっても、ほかのデータと組み合わせることで、意図せず個人を特定できる可能性が生まれることがあります。このように、ビッグデータの活用によって、本来公開されるべきでない個人情報が露呈するリスクが高まることが懸念されています。

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ビッグデータを扱うスキル不足

ビッグデータを扱う上での課題の2つ目は、ビッグデータを扱うスキル不足です。

ビッグデータの適切な活用は専門的なスキルを必要としますが、多くの企業でそのスキルを持つ人材が不足しています。特にデータサイエンティストやデータアナリストのような専門家は求人市場でも希少価値が高く、容易に採用することは難しい状況です。

このようなスキル不足を解消する手段として、専門知識を持つ外部のサポート企業の協力を得る方法が有効です。これらの企業はビッグデータを活用したビジネスの最適化や課題解決に豊富な経験を持ち、企業のビジネスニーズや業務を理解し、最適なソリューションを提供します。

短期的には、外部の専門家のサポートを受けながらビッグデータの活用を進め、中長期的には自社内での専門スキルの育成を目指すという戦略をとることを推奨します。

効果が出ない場合もある

ビッグデータを扱う上での課題の3つ目は、効果が出ない場合もあることです。

ビッグデータの活用は、多くの企業で注目されていますが、データを単に収集・分析することだけが目的となってしまうと、実際のビジネス成果を上げることが難しくなります。つまり、データ活用の「手段」が「目的」として誤認される場合、その本来の価値を十分に引き出せないことがあります。

重要なのは、ビッグデータを活用する目的を明確に定義し、それに基づいて適切なデータを収集・分析することです。そうすることで、ビッグデータの分析結果を実際の経営戦略や業務改善に役立て、期待される成果を実現することが可能となります。

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ビッグデータ活用の効果を高める3つのポイント

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ここでは、ビッグデータの活用の効果を高める3つのポイントについて解説します。

    • 活用目的の明確化
    • 短期的な効果を期待しない
    • ビッグデータに知見のある企業の支援を受ける

それでは、1つずつ解説します。

活用目的の明確化

ビッグデータ活用の効果を高める1つ目のポイントは、活用目的の明確化です。

具体的には、企業がビッグデータを導入する際に明確な目的や戦略を持たず、単にトレンドに乗りたいという理由だけで導入してしまうと、分析後のデータの解釈や活用方法が不明確となり、結果としてROIが低下する可能性が高まります。

そのため、最初にビッグデータを活用する目的を明確にすることが重要です。

関連記事:データ分析の代表的な目的は?目的を明確化すべき理由も解説

短期的な効果を期待しない

ビッグデータ活用の効果を高める2つ目のポイントは、短期的な効果を期待しないことです。

ビッグデータの分析・活用は一夜にして成果が上がるものではありません。初めての取り組みでは、データの整理や分析方法の模索、さらにはそれをビジネスに活用する方法の検討など、多くのステップを経る必要があります。

短期間での結果を求めるあまり、途中で取り組みを断念してしまうと、その前段階での努力や投資が無駄になってしまう可能性が高まります。また、継続的にデータを収集・分析することで、時間の経過とともにより精度の高い分析や予測が可能となる場合も多いです。

したがって、ビッグデータの活用を始める際には、最初から長期的な視野を持ち、継続的に取り組む意識を持つことが重要です。

ビッグデータに知見のある企業の支援を受ける

ビッグデータ活用の効果を高める3つ目のポイントは、ビッグデータに知見のある企業の支援を受けることです。

ビッグデータの効果的な活用には専門的なスキルや知識が要求されます。しかし、全ての企業がこの分野のエキスパートを持っているわけではありません。このような背景から、自社に必要なスキルやリソースが不足している場合、外部のサポート企業を活用することが一つの解決策となります。

企業によっては、最初から外部のサポートを受けることで、ビッグデータ活用の戦略をスムーズに進めることが可能となり、競争優位性を高めることが期待できます。

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ビッグデータの活用がよくわかる活用事例

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ここでは、ビッグデータの活用がよくわかる活用事例について解説します。

    • 観光地の食堂の来客予測
    • ビッグデータを活用した交通安全対策
    • 自動販売機の売上改善

それでは、1つずつ解説します。

観光地の食堂の来客予測

活用事例の1つ目は、観光地の食堂の来客予測です。

この観光地の食堂の課題としては、経験や勘による経営により、売り切れによる機会損失や一時的な閑散期による食品ロスが発生していたことです。

そこで、気象データや観光の宿泊予測データなどのオープンデータと、食べログのアクセス数や来客データといった自社の情報を組み合わせてAI分析を行い、来客予測のシステムを構築しました。

このシステムにより、来客数を高精度で予測することができるようになり、結果、食材の発注量を最適化し、無駄を削減することが可能となりました。さらに、人員配置も効率的に行えるようになり、食堂の運営をよりスムーズに進めることができるようになりました。

ビッグデータを活用した交通安全対策

活用事例の2つ目は、ビッグデータを活用した交通安全対策です。

ある県ではカーナビデータの活用を開始し、交通安全対策を強化しています。自動車メーカと連携して、自動車メーカの持つビッグデータをもとに、危険と考えられる交通箇所を特定し、それを解消する取り組みを行っています。

具体的には、カーナビからの情報をもとに、ブレーキの踏み込み回数や急加速・急減速のデータなどを分析します。これにより、事故リスクが高いと予測される場所や状況を明確にし、交通安全対策の的確な実施を目指します。

この取り組みにより、事故の発生を未然に防ぐための新たな方法として、データの有効活用が進められています。

自動販売機の売上改善

活用事例の3つ目は、自動販売機の売上改善です。

コーヒー飲料を主軸にした飲料メーカでは、自動販売機の商品配置をデータ分析に基づいて決定しています。具体的には、「アイトラッキング・データ」を導入し、消費者が自動販売機で商品を選ぶ際の視線の動きを解析しています。

これにより業界の常識とされていた商品の配置(左上からZ字型の視線移動にもとづく配置)を見直し、左下に主力のコーヒー商品を配置することで売り上げが向上する結果となりました。

関連記事:ビッグデータの身近な例とは?理解するための前提知識・事例から分かるメリット・デメリット・具体的な事例を中心に詳しく解説!

まとめ

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本記事では、ビッグデータの概要・メリット・課題・活用事例を中心に解説してきました。ビッグデータは、膨大な量のデータのことを指し、これを分析・活用することで、高精度な予測や意思決定の支援が可能になります。

ビッグデータを適切に解析することで、ビジネスの課題解決や新たな市場の発見、顧客のニーズ分析など、多岐にわたる利点が生まれることでしょう。一方で、プライバシーの保護や自社における分析スキルの不足などの課題も指摘されています。

なお、インキュデータはDX推進サポートも行っています。何かビッグデータの活用でお困りごとがあれば、是非一度お問い合わせください。

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