カシオ計算機株式会社 - パーソナライズドマーケティングの基盤構築 |グローバル推進体制の最適化
カシオ計算機は、世界中で年間約1千万台を売り上げる腕時計「G-SHOCK」の開発・販売元として、高い技術力と生産能力を武器に確固たる地位を築いてきました。しかし、オンラインでの消費行動が進むなか、消費財メーカとして顧客との直接の接点が少なく、顧客理解を深めることが難しいという課題がありました。カシオはこの課題を解決するために、顧客データの統合と活用を軸にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、「ユーザー価値重視型企業」への転換を目指しています。これにより、カシオは顧客理解を深め、個々のユーザーに最適な価値を提供することが可能となります。
その結果、以下のような成果を達成しました。
- あらゆるタッチポイントで生まれるデータを共通IDで統合し、ユーザ単位で管理する基盤を構築
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顧客ごとに最適な体験を提供するためのパーソナライズドマーケティング施策基盤を構築
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グローバルでも展開可能なデータ活用ができる体制を整備
カシオ計算機株式会社 - 顧客データの統合・活用を軸にした、 グローバルで推進するユーザ中心の事業変革
この事例では、次の内容について詳しく解説しています。
課題
- カシオ計算機は、主力製品「G-SHOCK」をはじめとする製品の販売が量販店やeコマースを通じて行われており、顧客との直接的な関係が希薄で、ニーズの把握が困難でした。
解決策
- 会員サービスである「CASIO ID」をはじめ、さまざまなタッチポイントでの顧客データの統合と活用を強化。「嗜好性」「ホット度」「ロイヤリティ」の三つの軸でデータ解析を行い、インキュデータの支援のもとユーザ中心の事業変革を推進しました。
成果
- ユーザー理解の深化により個々のユーザーに最適なコミュニケーションを提供したり、カスタマイズサービスを提供するなど、競争力向上とブランドロイヤリティの強化に成功しました。
パーソナライズドマーケティングとは
パーソナライズドマーケティングとは、「顧客一人一人の行動履歴や属性に基づき、それぞれの顧客に最適な体験を提供する」ことです。個々の顧客が有するニーズに合わせて最適な体験を提供することで、顧客ロイヤリティを高めていくことができます。
パーソナライズドマーケティングの実施効果
- 顧客との信頼関係向上
- 効率的なマーケティング施策実行
- 潜在的な顧客への効果的なアプローチ
パーソナライズドマーケティングは、顧客の購買行動が多様化している現代において、ますます重要度が増しています。そのため、顧客データを活用し、パーソナライズ化した取り組みを行うことで、顧客満足度の向上や売り上げの増加に繋がります。
成功事例から得られる知見
カシオ計算機のG-SHOCKは、高い技術力と生産能力を誇りながらも、消費財メーカ特有の顧客との接点が少ないという課題に直面していました。同社は顧客データの統合と活用を進め、「嗜好性」「ホット度」「ロイヤリティ」の三つの軸でユーザー理解を深めコミュニケーションやサービス開発に生かすという顧客中心のバリューチェーンを構築しました。
この事例は、同様の課題を持つ企業にとって、データ活用による顧客理解と関係構築の重要性を示しています。
資料概要
目次
- カシオ計算機がDXに乗り出した理由
- 目指すのは「ユーザー価値重視型企業」への転換
- 「 嗜好性」「ホット度」「ロイヤリティ」の三つの軸でユーザ理解を促進
- ユーザ中心のバリューチェーンの実現へ
図: カシオのDXを支える二つのプラットフォーム