ビッグデータを活用するメリット・デメリットは?企業の活用事例も解説 -
ビッグデータは3Vと表現され、Volume(膨大なデータ量)、Velocity(データ発生頻度)、Variety(データ多様性)なデータを意味します。IoTやAIなど技術の進歩で、近年あらゆるビジネスシーンで活用されることが期待されています。ただ、具体的にビッグデータにはどのようなメリット・デメリットがあるのか整理したいところです。また、ビッグデータの活用事例があると、具体的にビッグデータを自社でどのように活用できるかイメージしやすくなるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ビッグデータを活用するメリット・デメリットや、ビッグデータの活用事例などを解説します。
ビッグデータ活用のメリット
ここでは、ビッグデータ活用のメリットとして、以下の3つを解説します。
-
- 高精度な現状把握
- スピーディーな未来予測
- 新たなビジネス創出
- 高精度な現状把握
それでは、1つずつ解説します。
関連記事:ビッグデータを自社サービスに活用!扱うデータの種類や分析ポイントなどとともに解説
高精度な現状把握
ビッグデータを用いることで、今までより広範囲で深く、高精度な現状把握が可能になります。これにより、今まで想定していなかったユーザ像の発見など、効果的な施策の立案に役立てられるでしょう。
スピーディーな未来予測
ビッグデータを解析することで、勘と経験に頼らずスピーディーに未来予測を行えます。向上などの障害予測やマーケティングでの需要予測に役立つでしょう。
新たなビジネス創出
ビッグデータで現状把握や未来予測を行った結果を生かして、顧客のニーズや流行に沿った新たなビジネスを創出することにつなげられます。これにより、企業の競争力向上が期待できるでしょう。
ビッグデータ活用のデメリット
ここでは、ビッグデータ活用のデメリットとして、以下の3つを解説します。
-
- プライバシーリスク
- 管理・分析コスト
- システム品質維持
- プライバシーリスク
それでは、1つずつ解説します。
プライバシーリスク
ビッグデータには、個人の特定につながる情報が入っていることが珍しくありません。そのため、ビッグデータを活用するにはプライバシーリスクにも十分考慮しなければならず、個人情報の取扱いに関する法令や指針を遵守し、データの適切な管理が必須です。
関連記事:【2023年度版】データプライバシーの意味や関連する法律・トレンドについて解説
管理・分析コスト
データの量が増加すると、それを保管・運用・分析するために、システムに係るコストも増大します。また、セキュリティインシデントが発生すると、経営に大きな影響が出かねないため、その対策にも十分費用をかけなければなりません。
関連記事:データ分析の手順を5ステップで解説! - 主な手法や成功ポイントを理解してビジネスに活用
システム品質維持
新たなシステムを取り入れた結果、既存システムのパフォーマンスや安定性が低下する可能性もあります。また、増加し続けるデータ量に対して、十分な処理能力を持つシステムを用意できなければ、業務の遅延や効率の低下を招く恐れがあります。そのため、システムの品質や既存環境への適合度は、導入時に十分に確認したいところです。
関連記事:データ基盤とは何か? - 基礎知識から必要とされる理由・構築の流れ・ツールの設定について解説
企業がビッグデータを活用してメリットを得た事例
ここでは、企業がビッグデータを活用してメリットを得た事例として、以下の2つを解説します。
-
- 自然調査
- 飲食チェーン
- 自然調査
それでは、1つずつ解説します。
自然調査
自然調査会社Aは、ドローン技術を駆使して、独自のデータと専門知識を組み合わせたサービスを提供しています。例えば、K県H市の森林調査ではドローンを活用し、植物の健康状態の画像解析を行い、弱った木材や松くい虫の被害を早期に特定しました。また、計測ドローンを活用し、樹木の正確な位置情報を取得し、調査時間・手間を大幅に削減しました。
飲食チェーン
飲食チェーンBでは、食器にICタグを埋め込み鮮度や売上情報など、年間10億件以上のデータを収集しています。これらのデータを分析することで、「どのメニューがいつ食べられるか」傾向を精度よく把握し、在庫管理を効率化して商品廃棄や売り切れの防止を図っているのです。
ビッグデータのメリットをより享受するためのポイント
ここでは、ビッグデータのメリットをより享受するためのポイントとして、以下の2つを解説します。
-
- 目的に沿ったデータ抽出
- 社内全体でデータ環境整備
それでは、1つずつ解説します。
目的に沿ったデータ抽出
ビッグデータは大量で多様なデータであるため、ビッグデータ全てを利用・分析すると、本当に必要な情報が埋もれ、目的に合わないデータによる誤った結論を導く可能性があります。そのため、最初にビッグデータを活用する目的を明確にし、ノイズを排除して目的に合致したデータを選択しましょう。これにより、分析の質を向上させられます。
社内全体でデータ環境整備
企業の各部署がバラバラにデータを蓄積・管理しているケースは少なくありません。しかしこれでは、全体の戦略を練る際に一貫性がなくなる上に断片的な情報しか見えず正確なデータ分析や判断ができないため、ビッグデータを十分に活用できません。そこで、社内全体でデータを一元管理し、部署間で情報のズレをなくすことで迅速かつ正確な意思決定が可能になります。このように、社内全体でデータを一元管理してビッグデータの活用を実現するには、全社横断でのデータ環境を整備することが欠かせません。
関連記事:データ連携とは? - 目的から課題・基盤を構築する方法まで徹底解説
まとめ
本記事では、ビッグデータを活用するメリット・デメリットや、ビッグデータの活用事例などを解説しました。市場のトレンド把握や顧客のニーズ予測などのメリットがある反面、データ管理コストの増加やプライバシー保護などの注意点は無視できません。また、ビッグデータのメリットをより享受するには、目的に沿ったデータ抽出や社内全体のデータ環境整備が必須です。
社内全体でビッグデータの活用目的を共有し、社内全体の協力を得るには、具体的な成功例の共有も有効です。是非、本記事で紹介した事例などの先行事例も活用してみましょう。