DXにおけるデータ活用とは?重要な理由・活用するためのステップ・課題から具体的な事例までを詳しく解説! -
DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せる中、企業のマーケティング担当者は、データ活用の重要性を感じつつも、その具体的な実現方法に頭を悩ませていることも多いのではないでしょうか。
データをどのように収集し、分析すれば良いのか、どう活用してビジネスに結びつければ効果的なのか、具体的なアプローチが不明確な場合も多いはずです。
そこで今回は、DXを推進する上でなぜデータ活用が不可欠なのか、その理由から始まり、効果的なデータ活用のためのステップ、そして直面する可能性のある課題について解説します。また、実際にデータ活用を成功させた具体的な事例も紹介し、マーケティング担当者が今後の戦略立案に活かせるヒントを提供します。DXの波に乗り遅れないためにも、データ活用の基本から応用までを押さえ、自社のマーケティング戦略にどのように取り入れるかを検討してみましょう。
DXとデータ活用の違いとは?
データ活用は、情報を分析し意思決定を支援する具体的なプロセスです。一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)は、単なる企業のデジタル化よりも広範な概念で、データ活用を含む多岐にわたる取り組みです。DXはテクノロジー導入だけでなく、企業文化やビジネスプロセスの根本的な変革を意味し、データ活用はその重要な構成要素の一つに過ぎません。
DXとデータ活用の経済産業省の定義
経済産業省の『デジタルガバナンス・コード2.0』においては、DXは以下のように定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
つまり、データの活用はDX推進における核心的な要素といえます。
- 出典:デジタルガバナンス・コード2.0 | 経済産業省 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf
DXでデータ活用が重要な理由
ここでは、DXでデータ活用が重要な理由について解説します。
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- サービス品質の向上
- 客観的に現状把握ができる
- 新しい課題やビジネスチャンスに気づける
- サービス品質の向上
それでは、1つずつ解説します。
関連記事:DXとは何か?必要な理由や推進のポイント・導入事例などを解説
サービス品質の向上
DXでデータ活用が重要な理由の1つ目は、サービス品質の向上です。
データを活用することで、顧客の行動やニーズを深く理解し、それに応じたサービスの最適化やパーソナライズが可能になります。また、データ分析により市場のトレンドを迅速に把握し、製品やサービスの改善、新しいビジネス機会の創出が行えます。
これにより、顧客満足度を高め、リピート率の向上やブランドの信頼性強化に繋がります。
客観的に現状把握ができる
DXでデータ活用が重要な理由の2つ目は、客観的に現状把握ができることです。
データを用いることで、企業は自社の業務や市場の動向、顧客の行動パターンを正確に分析できます。この客観的な情報に基づく分析は、意思決定の精度を高め、ビジネス戦略の策定や業務改善において重要な役割を果たします。
また、データに基づくアプローチにより、偏見や過去の経験に依存した判断を避け、実態に即した対応が可能となります。
新しい課題やビジネスチャンスに気づける
DXでデータ活用が重要な理由の3つ目は、新しい課題やビジネスチャンスを発見できることです。
データ分析により、従来の方法では見過ごされがちなパターンや傾向が明らかになり、これまで認識できなかった問題点を特定できます。また、顧客データの分析から新たなニーズや市場の機会を見出すことも可能です。
DXでデータ活用を進めるための6つのステップ
ここでは、DXでデータ活用を進めるための6つのステップについて解説します。
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- ステップ1:現状・課題の設定
- ステップ2:データ活用の目的・仮説を設計
- ステップ3:データ活用前の環境・制度整備
- ステップ4:データの取得と保有
- ステップ5:データ活用・分析
- ステップ6:データを用いた施策実施・意思決定
- ステップ1:現状・課題の設定
それでは、1つずつ解説します。
ステップ1:現状・課題の設定
DXでデータ活用を進めるための1つ目のステップは、自社ビジネスにおける現状把握・課題の設定です。
まず、データ活用を行なうにあたって、自社の現状の把握と課題を考える必要があります。データ活用はやみくもに実施可能なものではなく、目的に応じてデータの種類や規模、利用方法が異なります。
したがって、データ活用に取り組む際には、目的を明確にすることが必要です。何のためにDXを推進するのか、DXによってどのような世界を実現したいのかを明確にしたうえで、データ活用戦略策定を進めましょう。これにより、どのデータをどのように利用すべきかが決定され、効果的な戦略策定が可能になります。
ステップ2:データ活用の目的・仮説を設計
DXでデータ活用を進めるための2つ目のステップは、データ活用の目的・仮説を設計することです。
DXにおけるデータ活用では、分析前に目的の整理や現時点の課題の仮説を立てることが重要です。データを活用する目的は、業務効率化、顧客満足度向上、新市場の開拓など多岐にわたります。これらの目的に向けて、どのデータが必要で、どのように分析するかを明確にしていくことができます。
このアプローチにより、データ活用は目的に沿った具体的な成果を生み出すことができ、DX推進の効果を最大化します。
ステップ3:データ活用前の環境・制度整備
DXでデータ活用を進めるための3つ目のステップは、データ活用前の環境・制度整備です。
データ活用前の環境・制度整備には、セキュリティとプライバシーへの配慮が不可欠です。特に、データの漏えいや流出は企業の信用問題に直結するため、顧客データの活用の際には必ず事前にパーミッションが得られているかどうかを確認することが求められます。
このプロセスには、適切な法的基準の遵守と個人情報保護の方針を明確にすることが含まれます。ユーザからのデータ収集にあたっては、同意を得ることが必要で、これには透明性のある情報提供と、データの使用目的の明確化が必要です。
ステップ4:データの取得と保有
DXでデータ活用を進めるための4つ目のステップは、データの取得と保有です。
この段階では、企業の目的に適合するデータを効率的に収集し、安全に保管することが重要です。収集するデータの種類は、分析の目的や必要性に基づいて決定されます。また、データ保有にあたっては、セキュリティ対策を施し、データの漏洩や不正利用を防ぐための厳格な管理体制を構築することが必須です。
収集したデータは、下記で管理することになります。
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- データレイク
- データウェアハウス
- データマート
- データレイク
データレイク
データレイクは、様々な形式のデータを一箇所に集約し、保存する大規模なデータ管理システムです。異なるソースからのデータをそのままの形式で格納し、必要に応じて柔軟にアクセスできる特性を持っています。
これにより、ビッグデータの活用や高度なデータ分析が可能になります。データレイクでは、構造化データ(表形式のデータなど)だけでなく、非構造化データ(テキスト、画像、動画など)も保存できるため、多様なデータの統合と分析が行えます。
このデータの種類の柔軟性により、企業はデータドリブンな意思決定を行うことができ、新たなビジネスインサイトの発見や、効率的なデータ管理が可能となります。
データウェアハウス
データウェアハウスは、企業の様々な業務システムから収集したデータを統合し、分析やレポート作成のために保存するシステムです。主に構造化されたデータを扱い、データの品質、一貫性、整合性を保つために厳格な形式と規則に基づいて管理されます。
データウェアハウスの目的は、企業が長期にわたる分析や意思決定を行う際に、一元化された信頼できるデータソースを提供することにあります。
データの集約により、部門間の情報の壁を取り除き、全社的な視点でのデータ分析を可能にします。このシステムは、経営分析、トレンド分析、戦略立案などに利用され、企業の意思決定の質を向上させるための重要なツールです。
データマート
データマートは、特定の部門や業務領域に特化したデータウェアハウスのサブセットです。データマートは、企業の全体的なデータを蓄積しているデータウェアハウスから必要なデータを抽出し、特定のユーザグループや部門の要求に応じて設計されます。
データマートは、より小規模で、特定の目的や業務に焦点を当てたデータ集約を行うことで、関連するユーザが迅速かつ効率的にデータ分析やレポート作成を行うことを支援します。
例えば、販売部門のためのデータマートは、主に販売関連のデータを含み、その部門の特定の分析ニーズに対応します。データマートはデータの取り扱いを簡略化し、特定部門の意思決定プロセスを迅速化するため、効率的なデータ活用環境を提供します。
ステップ5:データ活用・分析
DXでデータ活用を進めるための5つ目のステップは、データ活用・分析です。
DXにおけるデータ活用と分析の進行には、ビッグデータの扱いが不可欠です。そのためには、データベースの適切な設計とBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの活用が必要となります。
データベースの設計では、大量のデータを効率的に処理・管理できる構造を構築することが重要です。一方、BIツールは、これらのビッグデータから有益な洞察を引き出し、ビジュアライゼーションやレポート作成を容易にする機能を提供します。
これらのツールを活用することで、データ分析の精度とスピードが向上し、企業は迅速かつ的確な意思決定を行うことが可能になります。
ステップ6:データを用いた施策実施・意思決定
DXでデータ活用を進めるための6つ目のステップは、データを用いた施策実施・意思決定です。
適切なデータを収集・分析し終えたら、そこから得られる洞察を基に具体的な施策を策定します。データに基づく施策実施は、より効果的なビジネスプロセスや顧客体験の向上に寄与します。
また、分析結果を活用した意思決定は、リスクの低減や新しいビジネスチャンスの発見に繋がります。このプロセスを通じて、データはDXの推進力となり、企業の競争力強化に寄与するでしょう。
DXでデータ活用をするときの課題
ここでは、DXでデータを活用するときの課題について解説します。
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- データの信憑性確保
- 個人情報の取り扱い
- データ形式や入力方式の統一
- データの信憑性確保
それでは、1つずつ解説します。
データの信憑性の確保
DXでデータを活用するときの課題の1つ目は、データの信憑性の確保です。
正確で信頼性の高いデータを使用することが、有効な分析と適切な意思決定には不可欠です。そのため、分析に用いるデータは、十分な量(母数)を持ち、適切なソースから収集されるべきです。
大きな母数のデータを使用することで、結果の信頼性が高まり、より正確な傾向やパターンの把握が可能になります。また、データの品質を確保するためには、データの収集、処理、分析の各段階で厳格なチェックが必要です。
データの信憑性を高めることは、DXにおけるデータ活用の成果を最大化し、企業のビジネス成長に貢献します。
個人情報の扱い方
DXでデータを活用するときの課題の2つ目は、個人情報の取り扱いです。
データを活用する際には、個人情報・秘匿情報の保護が重要な要素となります。個人情報の適切な管理は法的義務であると同時に、企業の信頼性や顧客との関係構築にも影響を与えます。
そのため、データの収集、保存、使用の各段階で厳格なセキュリティ対策を講じることが必要です。個人情報保護法規の遵守はもちろん、ユーザからの同意を得ること、データの匿名化処理などが求められます。データの取り扱いにおいては、倫理的配慮と法的要件を満たすことが、DX推進の鍵となります。
データ形式や入力方式の統一
DXでデータを活用するときの課題の3つ目は、データ形式や入力方式の統一です。
異なるシステムやプラットフォームから得られるデータは、形式や構造がバラバラなことが多く、これらを統一的に扱うことが重要になります。データ形式の不統一は、データの分析や活用を困難にし、精度の低下を招く原因となります。
したがって、データの効果的な活用を実現するためには、データの標準化や整合性の確保が必要です。これには、データの入力規則の標準化、フォーマットの統一、データクレンジングなどのプロセスが必要になります。
DXでデータ活用をするときに役立つツール
ここでは、DXでデータ活用するときに役立つツールについて解説します。
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- BIツール
- CRMツール
- MAツール
- SFAツール
- BIツール
それでは、1つずつ解説します。
関連記事:データドリブンの意味を注目される背景やメリット・デメリットともに解説
BIツール
BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)は、企業のデータを分析し、ビジネス上の意思決定を支援するソフトウェアです。BIツールは、データの収集、統合、分析、視覚化の機能があります。
BIツールを使用することで、大量のデータから重要な情報を迅速に抽出し、直感的なダッシュボードやレポートで表示することが可能になります。これにより、企業は市場の動向、顧客行動、業務効率などの分析を行い、より根拠のある意思決定をすることができます。
BIツールは、データドリブンな経営を実現するための重要なツールであり、業務の最適化、戦略立案、リスク管理など幅広い分野で利用されています。
CRMツール
CRMツール(Customer Relationship Managementツール)は、顧客情報の管理と顧客関係の強化を目的としたソフトウェアです。このツールを使用することで、顧客の連絡先、購入履歴、対話の記録などの情報を一元管理し、顧客ごとの詳細なデータを把握することが可能になります。
CRMツールは、顧客とのコミュニケーションを効果的に管理し、マーケティング、営業、カスタマーサービスの各業務において、個々の顧客に合わせたパーソナライズされたアプローチを可能にします。
これにより、顧客満足度向上、ロイヤリティ強化、売上増加に繋がります。CRMツールは、顧客データの深い理解と関係構築のための重要なツールとして、多くの企業で活用されています。
関連記事:CRMの導入事例を手法・業種別に解説!
MAツール
MAツール(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動を自動化し、効率化するためのソフトウェアです。このツールを利用することで、リード生成、顧客のセグメンテーション、Eメールマーケティング、SNS運用、キャンペーン管理などのマーケティング業務を効率化し、統合的に管理できます。
MAツールは、顧客の行動データを収集・分析し、それに基づいて最適なマーケティングメッセージを自動的に送信する機能を持ちます。これにより、適切なタイミングでターゲット顧客にアプローチでき、マーケティングの効果を高めることができます。
また、データの詳細な分析により、マーケティング戦略の最適化が可能になり、企業の売上増加や顧客エンゲージメント向上に貢献します。
関連記事:MA(マーケティング・オートメーション)の概要は? - メリットや注意ポイント、活用の仕方
SFAツール
SFAツール(Sales Force Automation)は、営業活動の効率化を目的としたソフトウェアです。このツールは、営業担当者の活動計画、顧客管理、商談追跡、見積もり作成、レポート生成などの機能を自動化し、営業プロセスの管理を支援します。
SFAツールを使用することで、営業チームは顧客データを一元化し、各顧客とのやり取りを効率的に管理できます。また、商談の進捗状況や成果の分析が容易になり、営業戦略の最適化に役立ちます。
SFAツールの導入により、営業担当者はルーチンワークから解放され、より戦略的な営業活動に集中することが可能となります。これにより、営業の生産性向上と、顧客満足度の高い営業サービスの提供が実現します。
関連記事:営業支援のためのデータ活用術 - 営業のデジタライゼーションを実現する方策
DXのデータ活用に使用できるデータ一覧
ここでは、DXのデータ活用に使用できるデータ一覧を表にまとめてみました。これらのデータは、DXにおける様々な業務や意思決定プロセスの最適化に役立ちます。
データ名 | データ内容 | 活用事例 |
顧客データ | 顧客の基本情報、購入履歴、行動パターン、好み、フィードバック | 顧客満足度向上のためのカスタマイズされたサービス提供 |
販売データ | 売上データ、商品ごとの販売量、時期別・地域別の販売状況 | 需要予測、在庫管理の最適化、販売戦略の策定 |
マーケットデータ | 市場動向、業界分析、競合情報、顧客セグメント情報 | 市場のニーズ把握、新製品開発、競合分析 |
業務プロセスデータ | 作業効率、プロセスフロー、業務時間、コスト | 業務の自動化、効率化、コスト削減 |
ソーシャルメディアデータ | ソーシャルメディア上の顧客の意見、トレンド、感情分析 | ブランド認知度向上、ターゲット市場の特定、製品改善 |
ウェブデータ | ウェブサイトのトラフィック、ユーザ行動、コンバージョン率 | ウェブサイトの最適化、マーケティング戦略の策定 |
センサーデータ(IoTデータ) | IoTデバイスからのリアルタイムデータ、運用状況、環境データ | 設備の遠隔監視、メンテナンスの最適化、環境モニタリング |
ログデータ | システムログ、エラーログ、アクセスログなどの技術的なデータ | システムログ、エラーログ、アクセスログなどの技術的なデータ |
金融データ | 財務状況、予算、投資状況、市場の金融データ | 財務分析、予算計画、投資意思決定 |
関連記事:顧客データとは? - 収集・分析・活用方法や活用事例までまとめて解説
DXのデータ活用において活躍できる職種
ここでは、DXのデータ活用において活躍できる職種について解説します。
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- データサイエンティスト
- AIエンジニア
- マーケター
- データサイエンティスト
それでは、1つずつ解説します。
関連記事:DX人材とは?求められるスキルやマインドも併せて解説
データサイエンティスト
データサイエンティストは、大量のデータから有益な情報を抽出し、分析する専門家です。彼らは統計学、機械学習、データマイニングなどの技術を駆使し、データをビジネス上の意思決定支援のために活用します。
データサイエンティストは、データの収集、処理、分析に加えて、その結果をわかりやすく伝える役割も担います。彼らはビジネス戦略の策定、市場分析、顧客行動の予測、製品開発など、さまざまな分野で重要な役割を果たします。
データサイエンティストは、複雑なデータセットを扱い、そこから価値ある洞察を導き出す能力を持つため、データドリブンな意思決定が重視される現代において不可欠な存在です。
AIエンジニア
AIエンジニアは、人工知能(AI)の開発、導入、管理を行う技術者です。AIエンジニアは、AI技術の開発と実装を行う「プログラミング分野」と、収集したデータの分析を通じて新しいビジネス機会を探求する「アナリティクス分野」の両方で活躍可能です。
プログラミング分野では、AIアルゴリズムの設計、機械学習モデルの開発、システム統合などが主な業務です。一方、アナリティクス分野では、AIが生成する大量のデータを解析し、ビジネスの改善や新しいサービスの創出につなげます。
AIエンジニアは、これらのスキルを活用して、企業のDXに貢献し、多様な業界で重要な役割を担う専門家です。
マーケター
マーケターは、市場のニーズを理解し、製品やサービスを適切に顧客に届ける役割を担う専門家です。データドリブンなアプローチにより、マーケターは顧客の行動、嗜好、ニーズを詳細に分析し、パーソナライズされたマーケティング戦略を策定するのに寄与します。
例えば、顧客データ分析を通じて市場のトレンドを把握し、新しい製品やサービスの開発に役立てることもできます。デジタルツールやプラットフォームを駆使して、顧客エンゲージメントを高め、ブランドロイヤリティを構築することも、マーケターにとって重要な役割です。
このように、マーケターはDXにおけるデータ活用を通じて、企業の成長と競争力を強化するための鍵となります。
データ活用によるDX推進事例
ここでは、データ活用によるDX推進事例について解説します。
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- 某消費財メーカ
- 某損害保険会社
- 某消費財メーカ
それでは、1つずつ解説します。
関連記事:DXを成功させるには目的を明確にしよう!目的の例やDXを実現させるポイントも解説
某消費財メーカ
某消費財メーカは、子育てサポート事業会社と提携をし、紙おむつのサブスクリプションモデルを展開し、保護者と保育園の負担を軽減しています。このサービスでは、デジタル技術を利用して、事前に登録された子どものデータやおむつの使用状況に基づき、保育園の在庫が減少すると自動でおむつを発注するシステムを実装しています。
これにより、保育士の業務負荷が大幅に削減されるとともに、保護者はおむつの持参や持ち帰りといった手間が省けます。『手ぶら登園』は3,500件以上の保育施設に導入されており、両者にとって便利なソリューションを提供しています。
某損害保険会社
某損害保険会社のアプリは、AIやセンシング、クラウドコンピューティングを活用したスマートフォンアプリで、運転特性を計測し、事故リスクを推定する機能を有しています。
2020年3月から運転特性連動型自動車保険の契約者に提供され、計測した運転スコアに応じて保険料のキャッシュバックが行われます。アプリはドライバーの運転特性を分析し、運転スコアと運転アドバイス、走行記録を表示します。
契約者は運転アドバイスを参考にスコアを改善し、事故リスクを低減することができます。このアプリは、安全な運転を促進し、保険料の削減にも貢献しています。
まとめ
本記事では、DXにおけるデータ活用が重要な理由やデータ活用を進めるためのステップ・データ活用の課題・役立つツールを中心に解説してきました。
DXでは、データを活用することで、より精度の高い市場分析、効果的な顧客エンゲージメント、業務プロセスの効率化が可能になります。ただし、データ活用をする際は、データの品質が担保できるデータ量が必要であったり、プライバシー保護などの課題もありますので、その点注意が必要です。
なお、インキュデータは事業拡大に向けたDXにおけるデータ活用のサポートを行なっております。何か当該分野でお困りごとがあれば、是非一度お問い合わせください。