INCUDATA Magazine_000518_データ活用をビジネスに取り入れよう!メリットや活用事例・ポイントなどを解説

データ活用をビジネスに取り入れよう!メリットや活用事例・ポイントなどを解説 -

目次

現代のビジネスシーンにおいて、データ活用の必要性が叫ばれる機会が増えてきました。データを活用し、マーケティング活動やオペレーション効率化などに役立てている企業は数多く存在します。

ただ、具体的なデータ活用ポイントがよくわからない方もいるかもしれません。また、データ活用事例があれば、さらに自社でデータ活用を導入するイメージがわくのではないでしょうか。

そこでこの記事では、データ活用のビジネス上のメリットや活用場面などを解説した上で、データ活用のポイントについても詳しく解説します。

データ活用がビジネスシーンで求められている

ここでは、ビジネスシーンにおけるデータ活用の基礎知識として、以下の2つを解説します。

    • 日本企業におけるデータ活用の現状
    • ビジネスシーンで収集・活用されるデータの種類

それでは、1つずつ解説します。

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日本企業におけるデータ活用の現状

総務省が2020年に発表した統計情報によると、2015年に比べて以下のデータをデータ分析に活用する企業が増えています。

    • eコマースにおける販売記録
    • POSデータ
    • アクセスログ
    • 機器データ・センサーデータ(GPSデータ、センサーデータ、防犯・遠隔監視カメラデータなど)

ビジネスシーンで収集・活用されるデータの種類

INCUDATA Magazine_000518_データ活用をビジネスに取り入れよう!メリットや活用事例・ポイントなどを解説_ビジネスシーンで収集・活用されるデータの種類

 

ビジネスシーンでは、日々さまざまなデータが収集されるものです。その一例を、以下の表に示します。

 

ライフログデータ Webサイトやブログなどのアクセスログや行動履歴、動画の視聴ログなどのデータ
販売管理データ POS、ECサイト、注文実績などのデータ
顧客とのコミュニケーション 電子メール、CTIシステム、通話内容などのデータ
業務データ 顧客・経理・業務日報などのデータ

 

また、営業やマーケティング、カスタマーサポートなど各部門は、今までそれぞれ異なる顧客データを収集してきました。

 

営業部門 顧客の属性や商談履歴、商品別やエリア別の売上などのデータ
マーケティング部門 セミナーの参加者に関するデータや広告効果など
カスタマーサポート部門 問い合わせ内容の種類・数や対応時間、クレーム件数など

これらのデータを単体で分析するほか、データを統合・掛け合わせて分析することで、新たな知見が得られるかもしれません。

データ活用がビジネスにもたらすメリット

MZ_000518_01.jpgここでは、データ活用がビジネスにもたらすメリットとして、以下の3つを解説します。

    • 売上向上
    • コスト削減
    • 戦略立案・効果検証

それでは、1つずつ解説します。

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売上向上

売上に関わる数値変動や傾向を分析することで、顧客の行動や心理を推測できます。これにより、顧客に寄り添った提案や企画の立案ができる確率を高められるでしょう。また、データをリアルタイムで集計すれば、購買意欲が高まっているタイミングで適切な商品を提案することにも有効です。

コスト削減

業務の無駄やボトルネックを、データを分析することで見つけ出せれば、コスト削減・効率化につなげられるでしょう。場合によっては、長年の経験や勘では見つけられないような問題点にも、データを分析することで気付くこともできるでしょう。例えば、天候や温度と商品売上の関係性を見出し、そこから過不足ない仕入れを実現することが考えられます。

戦略立案・効果検証

データ活用は、新たな戦略や施策を導入する際にも有効です。データから社内外の状況が明確になり、ビジネスにおける課題を発見できます。また、見つけた課題を元に戦略や施策を実行した場合に、データを元に効果検証を行って次の施策に資する知見が得られるでしょう。

データ活用をビジネスで活用する場面

MZ_000518_02.jpgここでは、データ活用をビジネスで活用する場面として、以下の3つを解説します。

    • マーケティング
    • オペレーション効率化
    • 商品・サービス開発

それでは、1つずつ解説します。

マーケティング

収集したデータを適切に処理すれば、データドリブンなマーケティングにつなげられます。
オンライン・オフライン上での行動など顧客に関するさまざまなデータを可視化して総合的に分析すれば、経験や勘に頼らず、合理的なマーケティング施策を立案し、実施することが可能です。例えば、データ分析で顧客行動や趣味趣向の特徴を把握し、それを元に顧客一人一人に合わせて最適なコミュニケーションが可能になるでしょう。CDP(Customer Data Platform: 顧客管理基盤)でそうしたデータを統合し、顧客の興味関心や購買意欲の高まりに応じたコミュニケーションを展開することができるでしょう。

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オペレーション効率化

経営・財務・営業・人事などマーケティング以外の分野でも、十分なデータ収集と詳細なデータ分析により未来予測や意思決定の補助・オペレーションの効率化が可能です。こういった種類のデータ分析で活躍するツールがBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。自社が保有する大規模なデータを部門横断的に、かつ自動的に集計・分析するために役に立ちます。

商品・サービス開発

自社で蓄積した大規模データ、さらには他社の情報は、新規商品・サービス開発にも活用が期待されます。例えば、自社の購買データや問い合わせ履歴を基に、競合商品の人気・課題なども関連付けて顧客のニーズを詳細に分析すれば、「いま売れる商品」の企画開発が可能です。このタイプのデータ活用手法により、AIやIoT機器を組み合わせることで斬新なサービスを生み出す企業も数多くあります。

データ活用をビジネスに取り入れた事例

MZ_000518_03.jpgここでは、データ活用をビジネスに取り入れた事例として、以下の3つを解説します。

    • マーケティング
    • オペレーション効率化
    • 商品・サービス開発

それでは、1つずつ解説します。

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マーケティング

住宅メーカの事例を紹介します。こちらの住宅メーカでは、対面で人間同士の関係性を重視した営業活動を行ってきました。ただ、この方法では営業ノウハウが属人化することと、購入意欲が現時点では低い見込み客を取り込みづらいことが課題でした。また、インターネット上で住宅販売する取り組みは昔から行ってきたものの、デジタル上でのデータ分析・活用は十分とは言えませんでした。

そこで、デジタル上でのデータ分析・活用を推進すべく、データ基盤を構築して、オウンドメディアの会員情報や見込み客の情報などを統合管理しました。これにより、顧客一人一人の行動分析を行い、購買意欲が高まっている顧客に対して効果的なアクションを起こすことを狙っています。

今までは半日程度要していたデータ処理が数十秒程度で終了するなど、データ基盤を導入することで高速のデータ処理が可能になりました。今後は、MAやBIツールなども導入して、さらなるデータ活用を進めたいと考えているとのことです。

オペレーション効率化

空調機器メーカの事例を紹介します。こちらの空調機器メーカでは、エアコンの需要予測に課題を感じていました。エアコンは6〜8月の夏季に売り上げが集中しているものの、年により販売台数や売れる時期が異なります。このため、需要の予測を精度よく予測しないと、エアコンの欠品や在庫が発生するリスクがあったのです。また、エアコンの売り上げは湿度や温度との相関関係があると想定されてきたものの、具体的な相関関係までは不明でした。

そこでこの空調機器メーカでは、夏季のエアコン販売と湿度・温度による市場需要予測モデルを構築することとしました。過去のエアコン販売実績と湿度・温度データをCDPに取り込み、そこから週別に4週間先まで販売台数を予測できるモデルの構築を目指します。また、このモデルによりエアコンの販売台数を正確に予測できれば、生産計画や工場の稼働を最適化して、欠品も在庫もない製造が可能になると考えられます。

商品・サービス開発

各ジャンルの専門家が寄稿する、Webメディアの事例を紹介します。こちらのWebメディアでは、多種多様な専門家が情報発信して、膨大な記事が蓄積されてきました。また、これらの記事を活用したコンテンツマーケティングが重要なマネタイズ方法の1つです。ただ、編集や制作には職人気質の担当者が多く、彼らの消費者理解の感覚を顧客や他の社員と共有できていないことによる機会損失に課題を感じていました。

そこで、データを用いて隠れた消費者ニーズを明らかにし、社内での認識共有や広告施策の最適化を目指すことにしたのです。これにより、今まで着目されてこなかったものの、潜在的にはニーズがあった切り口でコンテンツを作成することに成功しました。また、広告記事のデータ計測も行うことで消費者インサイトを把握し、消費者インサイトに応える内容の記事を作成することで、読者からより大きな反応を得ることに成功しました。

データ活用のポイント

MZ_000518_04.jpgここでは、データ活用のポイントとして、以下の4つを解説します。

・全社的にデータ活用の重要性・目的を共有
・データ収集・分析環境の整備
・人材確保
・PPDACサイクルで常に改善

それでは、1つずつ解説します。

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全社的にデータ活用の重要性・目的を共有

データ活用は、全社一丸となって取り組むことで大きな効果を発揮するものです。しかし、データ活用の価値や目的・ビジョンが全社で共有されていなければ、データ収集・活用などに協力を得られず、クリティカルな課題解決につながらないでしょう。そのため、経営層が積極的にコミットし、全社的にデータ活用の重要性を共有することが欠かせません。

データ収集・分析環境の整備

データを大量に収集しても、不要なデータが多い、もしくは正しくデータを引き出せない場合は、十分にデータを活用できません。そのため、必要なデータを確実に収集・分析できる環境を整備することも重要なポイントです。それには、CDP(Customer Data Platform 顧客データ基盤)が効果的です。CDPによっては、オフラインデータの活用や、他マーケティングツールとの連携も可能で、データ分析結果を効果的にマーケティング施策に反映できるでしょう。

関連記事: CDPとは?導入目的や機能と併せて解説

人材確保

データの取り扱いとビジネス両方に理解があり、データを実際のビジネスに活用できる人材も欠かせません。昨今はデータをビジネスに生かす知識を持った人材は慢性的に不足しており、既存社員の再教育も求められています。そのため、データ活用ノウハウや実績が豊富な外部に委託し、徐々に社内へ知識を蓄積させることも検討しましょう。

関連記事:DX人材とは?求められるスキルやマインドも併せて解説

PPDACサイクルで常に改善

ビジネスでデータ活用を成功させるには、データの精査も欠かせません。それに有効なフレームワークの1つが、PPPDACサイクルです。一度のPPDACサイクルが不十分であれば、繰り返し行いましょう。

 

Problem
(課題の特定)
ビジネス課題を把握し、課題解決のために目標を設定。KGI(重要目標達成指標)などの具体的な数値目標を設定
Plan
(プロジェクトの定義)
前プロセスで設定した指標を達成するため、必要なデータの特定やデータ収集の方法など、データ分析プロジェクトの計画を立案
Data
(データ収集)
関係各所から必要なデータを収集し、データのフォーマット統一や不足データのチェック
Analysis
(分析)
データ分析により問題点や原因を究明する。データの要約や傾向の把握から、施策のための知見を探索
Conclusion
(結果の導出)
分析レポートを作成し、改善点を見つけて施策を検討

まとめ

今や、データ活用は数多くのビジネスシーンで、売上向上や新規事業の創出などの大きな成果をもたらしています。

ただ、効果を発揮するには一部の部署だけでの取り組みでは不十分で、全社的な取り組みが欠かせません。全社的にデータ活用の必要性を共有し、データ活用環境の整備や人材確保・育成を進めましょう。

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