CDPとは?導入目的や機能と併せて解説 -
更新日:2023年3月9日
近年、ECサイトやアプリでの情報発信など、さまざまなチャネルで顧客との接点をもてるようになってきました。ただ、その分1つのチャネルで得られたデータだけでは、個々のユーザ行動を把握することが困難になってきています。
そこで注目されているのがCDPです。CDPは、顧客のデータを記録・管理・分析できる上に、既存ツールと連携して顧客理解やマーケティング施策立案に役立てられます。ただ、CDPの機能や類語との違いがよくわからない方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、CDPの意味や導入目的、機能や類語について詳しく解説します。
CDPとは
CDP(Customer Data Platform、顧客データ基盤)とは、自社の顧客と適切なコミュニケーションを取るために、顧客に関するデータを記録・管理・分析するプラットフォームです。マーケティング活動において、一人一人のニーズに応えるには、行動変化を正確に把握した上で、顧客に寄り添ったコミュニケーションを取る必要があります。しかし、インターネットやスマートフォンが普及し、オフラインだけでなくオンライン上のさまざまなチャネルでの顧客接点が生まれてきました。
その結果、近年個々のユーザのデータが散在し、行動をとらえることが難しくなってきています。しかし、CDPで自社内外に点在しているさまざまな情報を統合・分析すれば、顧客ごとの属性や行動の理解を深め、分析や施策用途向けに正しくセグメンテーションし、マーケティングやセールスなどに生かすことができるのです。
現在、CDPの市場規模は拡大傾向を見せており、株式会社アイ・ティ・アールが2022年に発表した報告では、日本国内のCDP売上金額について以下のとおり報告しています。
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- 2020年度は前年比16.6%増(2019年度:75億円、2020年度:87億円)
- 2021年度は前年比18.4%増の予測(2020年度:87億円、2021年度予測:103億円)
- 2025年度は198億円と予測
関連記事:CDPで扱うデータとは?基礎知識・活用方法や導入のステップを解説
- 出典:2020年度のCDP市場は顧客接点のデジタル化の動きにより、前年度比16.6%増と高成長、2021年度は同18.4%増とさらなる高い伸びを予測|株式会社アイ・ティ・アール https://www.itr.co.jp/company/press/220106PR.html
CDPの目的
ここでは、CDPの目的について、以下の3つを解説します。
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- 顧客理解の深化
- ユーザ一人一人に合わせたマーケティング施策の立案・実施
- データ活用の領域拡大
顧客理解の深化
CDPでは、オンライン・オフラインのデータをユーザ単位で紐づけ、ユーザ行動の理解に活用できます。CDPで紐づけられたデータは、カスタマージャーニーの把握に加えて、具体的なペルソナ設定の材料になるため、新規顧客の開拓にも役立てることができます。
また、統合されたユーザデータを分析・分類することで、セグメントごとの分析や適切なコミュニケーションが設計しやすくなります。例えば、Treasure Data CDPでは、機械学習でユーザ行動予測モデルを作成し、特定の行動を起こすユーザを自動予測してくれます。
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ユーザ一人一人に合わせたマーケティング施対の立案・実施
CDPは、統合したユーザデータを活用した分析・マーケティングなどを、施策実行プロセスで迅速に行えます。
統合したユーザデータの活用はマーケティング活動において重要です。例えば、顧客がWebサイト上で自社商品に興味をもち、自社ブランドアプリをダウンロードして商品をお気に入り登録してから、店舗に実物を確認しに来たとします。その際、Webサイト、アプリ、店舗のそれぞれに来訪履歴が残りますが、それぞれのタッチポイントで得られた履歴だけではユーザ理解は困難です。
しかし、Webサイトやアプリ、店舗で得られたユーザデータを統合・分析すると、よりユーザの志向や行動履歴が理解できるようになります。また、CDPで顧客をセグメント分けし、各ユーザに最適な広告の表示やアプリのプッシュ通知、接客を行うことで、より精度の高い分析やマーケティングを実施できるのです。
各種ツールと自社が保有するデータを連携するシステムを一から構築するには、多大な労力がかかりますが、既存のCDPを活用すればその手間を部分的にカットすることが可能です。
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データ活用の領域拡大
CDPを活用すると、オンライン・オフライン問わずマーケティングで得た情報を、開発部門や営業部門などさまざまな他部門でも活用できます。CDPはユーザデータの記録や管理を永続的・横断的に行ってくれるため、今まで活用できなかった他部門のデータも共有して活用しやすくなるのです。また、顧客データの統合や既存ツールとの連携も可能なので、よりデータ活用領域拡大に貢献します。
CDPの機能
ここでは、CDPの機能について、以下の3つを解説します。
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- データ収集
- データ統合
- データ分析・連携
それでは、1つずつ解説していきます。
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データ収集
CDPを用いることで、オンラインからオフラインまで、顧客の嗜好や行動を分析に活用できるさまざまなデータを収集できます。CDPで収集できるデータの例は、以下のとおりです。
オンライン | Webやアプリでの会員情報や行動履歴、購買履歴、広告に関するデータ |
オフライン |
実店舗での来店情報や購買履歴 ※アプリでの会員情報の読み取り、アンケートなどから収集 |
オフラインのデータに関しては、取り込むために事前に処理が必要で、手間がかかる場合もあることに注意しなければなりません。ただ、オンラインとオフラインのデータを組み合わせることで、より広範囲をカバーして深いユーザ理解につなげられるでしょう。
関連記事:データの代表的な収集方法を解説!どのようなデータを収集・管理してどう活用すればいい?
データ統合
データ統合では、顧客に付与している自社のIDやメールアドレスと、顧客データを紐づけて統合します。顧客データの例は、以下のとおりです。
1stパーティデータ | 広告ログ、Webログ、SNSデータ、POSデータ、CRMデータ、店舗データ、属性データ、センサーデータ |
2nd、3rdパーティデータ | 外部媒体などで取得したオーディエンスデータ(興味関心、属性などのデータ)、天気気温 |
データ統合により顧客の行動履歴が分かり、より精密な顧客プロファイルの作成に役立つのです。
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データ分析・連携
さまざまな顧客接点から収集・統合したデータを基に、セグメンテーションや購買予測、ユーザのスコアリングなどの分析を行います。分析結果を自社の経営判断やマーケティング・セールス活動に役立てましょう。また、CDPではほかのマーケティングツールなどと連携可能で、例えばTreasure Data CDPでは500種類以上のツールと連携可能です。これにより、より一層幅広い施策が可能になります。
- ※2023年2月時点の情報です
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CDPと比較される用語
ここでは、CDPと比較される用語について、以下の3つを解説します。
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- DMP
- CRM
- MA
それでは、1つずつ解説していきます。
DMP
DMP(Data Management Platform)とは、ユーザの自社外でのデータを蓄積、管理するためのプラットフォームです。CDPと違い、個々のユーザの判別はできず、各種メディアで取得されたオーディエンスデータを活用します。DMPは、外部データを統合・分析する「パブリックDMP」と、自社データを統合・分析する「プライベートDMP」に大別されます。なお、インキュデータでは、「パブリックDMP」を「DMP」、「プライベートDMP」を「CDP」とそれぞれ定義しています。
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CRM
CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)とは、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、顧客との良好な関係を構築・促進することです。最近では、CRMに用いるツール・システム自体を”CRM”と呼ぶことも増えました。CRMを用いることで、顧客との関係性、コミュニケーションを管理し、自社の従業員と顧客との関係を一元的に把握できます。これにより、顧客ニーズ変化の対応や顧客満足度向上を目的にしています。
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MA
MA(Marketing Automation)とは、企業のマーケティング活動を自動化させる施策や、その施策をサポートするツールです。潜在層を主な対象とし、見込み顧客育成の役割を担います。MAツールを活用すれば、リードの管理や分析などを行い、トラッキングデータや自動メール配信など顧客属性に合わせて最適な施策を実行できます。これにより、マーケティング効果の最大化を図ります。
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まとめ
CDPは、自社の顧客と適切なコミュニケーションを取るために、顧客に関するデータを収集・統合・分析するプラットフォームです。
顧客の理解や顧客一人一人に合わせたマーケティング施策に活用できる上に、DMPやCRM、MAなどほかのツールと連携させることで、よりデータ利用の拡大につなげられます。顧客データを自社マーケティングに取り入れたい場合は、導入を検討してはいかがでしょうか。
なお、インキュデータのHPでは、CDPを活用して効果を挙げている顧客事例を紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
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