DMPの意味と取り扱うデータ・機能と導入メリットを解説 -
更新日:2023年3月13日
現代のマーケティング活動においては、データ活用が重要なポイントの1つになっています。マーケティング活動のデータ活用に役立つツールは多数存在しますが、その1つがDMPです。
DMPを使うと、ユーザに関する3rdパーティデータを利用することができます。ただ、DMPの機能やメリットについて、よくわからない方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、DMPの意味や取り扱うデータ、機能を解説した上で、DMPを導入するメリットについても詳しく解説します。
DMPとは
ここでは、DMPの基礎知識について、以下の3つを解説します。
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- DMPの意味
- パブリックDMP
- プライベートDMP
それでは、1つずつ解説していきます。
DMPの意味
DMP(Data Management Platform)とは、ユーザに関する多種多様な大量データを一元管理・提供するプラットフォーム(データ基盤)です。主に、WebサイトやTVなどの閲覧者・視聴者データを蓄積・分類して広告サービスとして提供されています。DMPサービスの例は、Yahoo!広告やデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの「Audience ONE」などです。
パブリックDMP
パブリックDMP(オープンDMP)は、メディアや広告を通して得られたユーザデータを、属性(ファミリー層、30代男性など)に紐づけ提供するプラットフォームです。Web等のメディアを利用するユーザの行動データや人口統計的な属性データを大量に蓄積し、利用者は、「年齢」「性別」「所在地」など、セグメントを指定してユーザデータを活用することができます。なお、以降本記事では、「DMP」=「パブリックDMP」として解説します。
プライベートDMP
プライベートDMPとは、自社で取得したユーザデータを集約し一元管理するデータプラットフォームです。Webデータだけでなく、実店舗の顧客データや展示会の名刺データなど、リアルの情報も格納して管理・分析に役立てられます。また、プライベートDMPにパブリックDMPのデータを取り込み、自社データを補完することも可能です。なお、インキュデータでは、「プライベートDMP」=「CDP」※として定義しています。
- ※CDP(Customer Data Platform、顧客データ基盤):自社の顧客と適切なコミュニケーションを取るために、顧客に関するデータを記録・管理し、分析するプラットフォーム
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DMPが主に取り扱うデータは3rdパーティデータ
DMPが主に取り扱うデータは、3rdパーティデータです。3rdパーティデータとは、政府や自治体による統計データや、リサーチ会社の調査データなど、第三者から提供されたデータです。自ら調査を行わない分、データを得る労力を軽減できますが、調査対象属性が自社の目的と合致していないことも珍しくありません。また、発信元の信頼度が低いと信憑性も低下します。そのため、十分に活用できるかデータを精査することが重要です。。
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なお、3rdパーティデータ以外のパーティデータについても以下で簡単に紹介します。
ゼロパーティデータ | ユーザが意図的に企業と共有するデータ ※1stパーティデータに含む場合もあります |
1stパーティデータ | 自社が直接入手したデータ |
2ndパーティデータ | 他社が収集したデータを、購入(共有)したもの |
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DMPの機能
ここでは、DMPの機能について、以下の3つを解説します。
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- データ統合・管理
- データ分析
- データ活用
それでは、1つずつ解説していきます。
データ統合・管理
DMPは、収集・蓄積した3rdパーティデータを管理します。DMPが管理できるデータの例を、以下に示します。
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- 国や自治体が提供するオープンデータ
- データ収集企業が提供するデータ
- 他社サイトの閲覧情報から推測される、顧客の興味・関心に関するデータ
- 検索エンジンの検索履歴
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データ分析
統合したデータを用いて、分析を実施できます。例えば、アクセス履歴やユーザ属性(年齢・性別等)、嗜好性などについて分析可能です。取得したユーザデータをセグメント分けすることで、より詳細にユーザについて分析できます。
活用シーンやデータの種類により、最適な分析方法を選択しましょう。
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データ活用
DMPによる分析とセグメント抽出により、ターゲットに対してより適切なマーケティングを実施できます。ただ、DMP単体では顧客とのアプローチが不十分と感じる場合は、DMPとCDP、CRMやMAなどのマーケティングツールと連携しましょう。これにより、DMPで分析したターゲットに向けたレコメンド、アプリでのPUSH通知、メール配信など、成果につながる効果的なプロモーションを行えます。
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DMPのメリット
ここでは、DMPのメリットについて、以下の2つを解説します。
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- マーケティング施策の効果向上
- 新たな顧客創出
それでは、1つずつ解説していきます。
マーケティング施策の効果向上
DMPを活用すれば、ユーザの属性や行動・購買履歴など既知の情報と組み合わせて、販売拡大やセグメントごとのマーケティングを実施できます。例えば、既存顧客の動向・属性と似た潜在顧客を抽出して拡販できます。ほかにも、競合商品のユーザ属性と顧客動向を照合することで、顧客が他社に移行しそうな兆候を見逃しません。これにより、関係維持を強化する施策を打つことができ、LTV向上も期待できます。
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新たな顧客創出
DMPを活用することで、自社のユーザではないがターゲットとなる層へ効率的なアプローチが図れるようになります。
通常、自社のハウスリストなどでターゲットを絞り込むとアプローチするユーザ数も絞り込むことになりますが、DMPでは作成したセグメント・カテゴリに含まれるユーザを元データに、DMPで捕捉した全ユーザから類似ユーザを抽出し、アプローチすることが可能になります。DMPの拡張機能と呼ばれる機能を活用することで、効率的にリーチする数を増やすことができるのです。
CDPと併用すれば、適切な同意管理のもと1stパーティデータと3rdパーティデータを組み合わせることで、新たなターゲット像が見出せる可能性があります。
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まとめ
DMPは、ユーザの3rdパーティデータを大量に蓄積・分類してプラットフォームとして提供されているものです。プライベートDMPとパブリックDMPに大別されます。
また、3rdパーティデータの収集・蓄積や統合・分析、他ツールとの連携を行うことで、新たな顧客創出やマーケティング施策の効果向上を期待できます。通信量の増大やオンラインシフトにより、DMPの需要は増しています。
なお、インキュデータはマーケティング活動の高度化の支援を行っています。自社のマーケティング活動でデータ活用を促進したい方は、ぜひ一度ご相談ください。