INCUDATA Magazine_000160_データ統合の意味は?進め方や手段なども併せて解説

データ統合の意味は?進め方や手段なども併せて解説 -

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更新日:2023年5月29日

現在多くのビジネスシーンで、データ活用が求められています。ただ、データが社内に散在しているため、十分にデータを使いこなせていないことに悩む企業も少なくありません。

その課題を解決するために必要な手段が、データ統合です。データ統合を行って今まで社内に散在していたデータを、1つのデータベースに集約することで、データ活用の促進や業務効率化に効果を発揮することが期待されます。

そこで、本記事では、データ活用の意味や目的、進め方などについて詳しく解説します。

データ統合の意味

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データ統合とは、さまざまな情報ソース・システムにあるデータを、1つのデータベース(プラットフォーム)に集約すること(=まとめ上げること)です。例えば、とあるスタジアムが、ビールの売り上げと当日の気象状況にどのような関係があるか分析したいとします。その場合は、売店のPOSシステムから売上データを取得し、そこに別途取得した気象データを取得・統合します。これにより、当日の温度や湿度と、ビールの売り上げの関係性を分析できるのです。

データ統合の目的

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ここでは、データ統合の目的として、以下の5つを解説します。

    • データ分析の深化
    • 情報の見える化
    • 業務効率化促進
    • 情報漏えい防止
    • コスト縮減

それでは、1つずつ解説します。

データ分析の深化

自社のデータを統合することで、バラバラのデータだけではわからなかった知見を得られる可能性があります。これは、別々に保存されているデータだけではあまり意味を為さないように思えても、それらのデータを組み合わせて分析を行うことで、深い意味を見出せることがあるからです。例えばマーケティング分野では、オンラインやオフラインのさまざまなチャネルで集めてきた情報を統合することで、顧客一人一人に対しより深い理解が期待できるでしょう。また、自社や競合などの分析においても、データ統合を行うことで、より多角的な分析が期待できます。

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情報の見える化

現代ビジネスを取り巻く環境は激しく変化しており、企業では社内外の状況を正確に把握して戦略を立案することが一層求められています。その際には、自社に存在するデータや外部データを細かく確認し、経営状況を正確かつ客観的に把握することが有効です。また、データ統合により全社のデータに速やかにアクセスできる状態にしておくことで、社内のデータをスムーズに取得・分析できます。これにより、より正確かつ迅速に自社の状況を把握できるでしょう。

業務効率化促進

データが各部門などに散在していると、各システムにアクセスして、必要なデータを取得するのに手間がかかります。また、データフォーマットがばらばらだと、データ分析を行う前に整形する工程が発生し、余計に手間がかかります。しかし、データ統合していれば、必要な情報へも速やかにアクセス可能です。また、データをまとめて管理できる各種ツールを活用すれば、よりスムーズにデータを活用できるようになるでしょう。

情報漏えい防止

自部門で保有しているデータを他部署などに提供したい場合は、手動でデータを抽出して受け渡す必要性が出てきます。しかし、手動でデータの授受や加工を行う場合、ヒューマンエラーが起こる可能性は否定できず、情報漏えいやデータの欠損が発生することも考えられるのです。しかし、データ統合を行うとデータの抽出や受け渡しを自動化できるため、人の手で操作する場面を減らせます。そのため、人的ミスが発生する可能性を減らし、情報漏えいなどのリスクも軽減できるのです。

コスト縮減

社内に散在しているデータを管理していると、それぞれに管理コストが発生し、集計する場合にも時間的なコストや人的な手間がかかります。しかし、データ統合を行うと、速やかに必要なデータを取得できるため、結果的にコスト縮減につながるのです。

データ統合を行う際の課題

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ここでは、データ統合を行う際の課題として、以下の3つを解説します。

    • データクレンジングの手間
    • データ統合を取り行える人材の確保
    • プライバシー・セキュリティ上の問題

それでは、1つずつ解説します。

データクレンジングの手間

データ統合後の品質を保つために、データの抜け漏れやダブりを防ぐ必要があります。不要なデータや重複したデータを削除するなど、データクレンジングを行うことで、データの品質向上を図ります。ただ、データクレンジングを行う際には、場合によっては手作業が必要になるため、手間やコストが発生します。

データ統合を取り扱える人材の確保

データ統合を行う際には、異なるデータベース間でデータをやり取りするなど、専門知識が求められる作業が少なくありません。そのため、データ管理の専門知識と業務知識など、適切なデータ活用に必要なスキルや知識を有している人材の確保が欠かせません。自社での採用・育成が困難な場合は、アウトソーシングも検討しましょう。

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プライバシー・セキュリティ上の問題

データ統合の過程で、セキュリティ上の問題が発生する恐れがあります。データを保護し改ざんや破損などから守るデータセキュリティ面はもちろんのこと、個人情報を含むデータを利用する際には、データ・プライバシー保護に関する法令やガイドラインの順守が求められます。技術的・法律的な問題の両面に対して、十分注意を払いましょう。

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データ統合の進め方

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ここでは、データ統合の進め方として、以下の5つを解説します。

    • データ統合する目的・ゴールの設定
    • 統合するデータの決定
    • データクレンジング
    • データの変換・加工
    • データの統合・管理

それでは、1つずつ解説します。

データ統合する目的・ゴールの設定

データ統合を行う前に、まずはデータ統合する目的・ゴールの設定を行いましょう。ただ闇雲に、社内に散財しているデータを収集して統合しても、データの活用は期待できません。データ統合により何をしたいか、どのような施策を行いたいか明確にすることで、初めて必要なデータを収集し統合したデータを十分に活用できるのです。

統合するデータの決定

データ統合する目的・ゴールの設定が終わったら、社内のどの部門にどのようなデータがあるか、現状を把握しましょう。基幹システムだけでなく、部門ごとに個別管理しているデータもその対象です。そこから、データ統合の目的・ゴールに応じて統合対象とするデータを決定します。また、データの活用目的によっても、クラウドサービスを活用すべきか自社にデータを留めるべきか、最適なデータ格納場所が異なることにも注意しましょう。

データクレンジング

データクレンジングは、統合先で扱いやすいようにデータを処理することです。。例えば、欠落・不足しているデータがある場合は、補正を行うことでデータレベルを統一しましょう。反対に、重複するデータは削除することで、過不足ないデータをそろえられます。データクレンジングを行う際には、格納されているデータの妥当性を確認し、不適切なデータを保存しないことも必要になります。

データの変換・加工

統合前に必要に応じて、データの変換・加工を行うことで、データ分析が容易になります。データの変換・加工方法の例は、以下の通りです。

    • データフォーマットの変換
    • 文字コードの変換
    • データ粒度の統一化
    • データ属性・データ型の統一
    • データのソート
    • データの分割・統合

データの統合・管理

加工したデータを、統合し保存します。データレイクやデータウェアハウス、データマートのいずれにに保存するかについては、データ活用の目的により異なります。データ統合を行うことで、データの取り扱いが容易になる上に、ばらばらの状態のデータを見ているだけでは気づかなかったインサイトを得られる可能性もあるでしょう。

データ統合に用いる手段

ここでは、データ統合に用いる手段として、以下の4つを解説します。

    • ETL
    • API
    • クラウドサービス
    • CDP

それでは、1つずつ解説します。

ETL

ETLは、以下の頭文字を取った、最も一般的なデータ統合手法です。

 

Extract

抽出(基幹システムやデータベースより、目的に沿ったデータを抽出)

Transform

変換(DWH※に書き出しやすくなるよう、データを変換・加工)

Load

読み込み(Transformを行なったデータを、DWHへ書き出し)

※DWH(Data Ware House):ETLで抽出・加工されたデータを保管するデータベース

 

上記のプロセスで、異なるデータベースやアプリケーションからのデータを抽出・変換し、最終的に別のデータベースに統合します。

関連記事:ETLとは? - 概念・関連用語とツール活用のメリット・比較のポイントを解説

API

API(Application Programming Interface)は、異なるシステム間をつないで、データのやり取りを実現するインターフェースです。APIを活用することで、異なるアプリケーションやサービスを連携し、データを統合させることができます。これにより、データの共有や新しいアプリケーションの開発を実現できるのです。

クラウドサービス

クラウドサービスは、インターネット経由で利用できるインフラやアプリケーションのサービスです。AWS(Amazon社提供)やGCP( Google 社)などが有名で、サービスの管理はサービスプロバイダが行います。また、導入コストを抑えて、速やかに導入できることやデータの増減にあわせて柔軟に拡張・縮小できることがメリットです。

CDP

CDP(Customer Data Platform)は、顧客データの統合・格納に特化したデータ基盤です。CDPを活用することで、さまざまな顧客データの取り込みや、統合管理が可能になります。そのため、社内のさまざまな箇所に散在している顧客データを統合するために、CDPを活用する企業は数多く存在します。国内では、最もシェアが大きいCDPはTreasure Data CDPです。2022年の、国内CDP市場におけるシェアは40.8%で、5年連続で国内CDPシェアナンバーワン(※)になりました。

関連記事:CDPで扱うデータとは?基礎知識・活用方法や導入のステップを解説

※ ITR「ITR Market View:メール/ Web マーケティング市場2022」
   CDP市場:ベンダー別売上金額シェア(2021年度予測)

まとめ

データ統合は、さまざまな情報ソース・システムにあるデータを、1つのデータベースに集約することです。これにより、情報の見える化や情報漏えい防止、コスト縮減などの効果が期待できます。

データ統合を行う際には、データ統合する目的・ゴールの設定から統合先にデータを貯めるまでの一連のプロセスを、確実に行いましょう。また、データ統合の手段にはETLやCDPなどの活用が考えられます。それぞれの特徴を把握して、最適な手段を選択することが大切です。

なお、インキュデータはデータ統合を含めたデータ基盤構築の豊富な支援実績を有しております。ぜひ一度ご相談ください。

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