マーケティング活動で重要な顧客理解を深める方法やフレームワークを解説! -
更新日:2023年5月29日
現在、市場環境は大きく変化しており、これまでの企業側からの一方的なマーケティング展開だけでは不十分になってきました。そこで重要性が増しているのが、顧客理解です。
ただ、昨今ではCDPなどを用いて顧客理解を深める方法について、トレンドや手法がよくわからない方もいるかもしれません。また、顧客理解を深めるために便利なフレームワークも数多く存在しますので、それらを抑えておくことは、マーケティング活動にとって必須となります。
そこで、本記事では、顧客理解の意味や深める方法、フレームワークを解説した上で、インキュデータが顧客理解の深化をサポートした事例についても詳しく解説します。
顧客理解とは
ここでは、マーケティング活動で顧客理解を深める方法として、以下の2つを解説します。
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- 顧客理解に取り組むことの意義
- マーケティング活動における顧客理解の重要性
それでは、1つずつ解説します。
顧客理解に取り組むことの意義
マーケティング活動における顧客理解とは、自社の製品・サービスの顧客に対して、購買行動や属性などを分析することで、顧客のニーズや考えを見出すことです。顧客理解を深める過程では、顧客の視点に立って、商品の購入理由や競合相手、不満点などを詳しく分析します。そしてその結果を、売り上げの向上や顧客の継続的な利用を促進するために活用するのです。
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マーケティング活動における顧客理解の重要性
顧客理解は、市場環境の変化に対応するためにますます重要になっています。現在、日本国内外で市場環境は大きく変化しています。例えば、日本では少子高齢化や人口減少によって、市場の縮小に苦労している企業は少なくありません。また、オンライン(非対面)での顧客の行動が増えたことで、これまで対面で把握できていたことがつかみにくいと感じている企業も数多く存在します。さらに、企業や顧客が気軽に情報発信できるようになったため、世の中に膨大な情報があふれており、顧客自らが情報を取捨選択を行い、顧客の趣味嗜好も多様化してきました。
以上により、マス広告などこれまでの画一的なマーケティング手法だけでは、顧客を獲得
することが難しくなってきました。そこで、顧客目線でニーズを理解し、既存サービスの拡大や新規サービスの提供をより確実に行うために、顧客理解が重要になっているのです。
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顧客理解をマーケティング活動で深める方法
ここでは、顧客理解をマーケティング活動で深める方法として、以下の2つを解説します。
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- 分析対象を分ける
- 顧客行動の分析
- 分析対象を分ける
それでは、1つずつ解説します。
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分析対象を分ける
分析対象を分けることで顧客理解を深めることや分析の効率化が可能になります。以下の3つのポイントに注目して分類してみましょう。
事象 |
顧客が何を発言したが、どう行動したか |
構造要因 |
事象の裏には、どのようなニーズや現状への不満があるか |
本質 |
顧客のインサイトは何か |
その際注意しなければならないことは、顧客のインサイトは顧客自身が気付いていない直感や本音であることです。そのため、事象から本質である顧客のインサイトを見出すことは、決して容易ではありません。。ただ、本質を探り当てることが顧客理解では重要なポイントですので、トライアンドエラーを繰り返し、成果が簡単に出なくとも粘り強く本質を理解するよう努めましょう。
顧客行動の分析
顧客行動の分析は、顧客理解に大いに役立ちます。顧客が商品やサービスを購入するまでに、具体的にどのような行動を取ったか把握できれば、顧客の心理や着目点が見えてくるはずです。例えば、顧客が以下の行動を取った場合には、顧客に対価を払ってでも得たい何かしらの欲求が発生している可能性が高いので、顧客行動の分析を十分行いましょう。
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- 商品やサービスの購入
- 時間を使って商品やサービスの調査、体験
- ユーザ登録サイトにメールアドレスを入力
- 自社のSNSアカウントにアクセス、閲覧
- 商品やサービスの購入
また、顧客の振る舞いや言動から、顧客が自社の商品・サービスに感じている価値やなぜそのような行動を取ったか分析することで、顧客理解に役立つでしょう。
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顧客理解に役立つフレームワーク
ここでは、顧客理解に役立つフレームワークとして、以下の4つを解説します。
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- セグメンテーション分析
- RFM分析
- コホート分析
- デシル分析
- セグメンテーション分析
それでは、1つずつ解説します。
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セグメンテーション分析
セグメンテーション分析は、顧客をニーズや属性などさまざまな切り口からグループ分けするフレームワークです。セグメンテーション分析を活用することで、市場と自社が参入するべき領域が把握できます。
RFM分析
RFM分析は、以下の3つの指標より顧客を分類するフレームワークです。
Recency: 直近購買時期
Frequency: 購買頻度
Monetary: 購買金額
RFM分析で顧客を分類してできたグループについて、それぞれの性質を把握することで、どの顧客に対し優先的にアプローチすべきか立案に使えます。
コホート分析
コホート※分析は、共通の属性を有する顧客同士を分類し、長期にわたる顧客の変化を分析できるフレームワークです。これにより、現在の顧客ニーズやトレンドに加え、将来の顧客ニーズやトレンドも予測できます。
※コホート:仲間のグループ
デシル分析
デシル分析は、購入金額より顧客を10等分し、それぞれのグループにおける購入金額や売上高構成比を試算するフレームワークです。これにより、売り上げへの貢献度が高いグループを明確にすることで、売り上げが期待できる顧客に対し効率的にアプローチをかけることが可能になります。
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インキュデータが顧客理解の深化をサポートした事例
ここでは、カシオ計算機の事例を紹介します。カシオ計算機では、これまで家電量販店やeコマースサイトなどを用いて製品販売を行なってきました。ただ、会社が直接ユーザと関わる場面が少なかったため、顧客理解が不十分であることや、直接ユーザにメッセージを伝えられていないことに課題を感じていました。そこで、全社的にDXを推進することで、顧客理解の深化を図ったのです。それをインキュデータがサポートしました。
2021年4月には、カシオ計算機のバリューチェーン全体のDXを統括する「デジタル統轄部」が組織され、全社的なDX推進が始まりました。インキュデータは、Treasure Data CDPの導入をサポートしました。Treasure Data CDPを活用することで、Webやアプリでのユーザ行動や反応を一元管理し、ユーザデータを「CASIO ID」に紐づけて顧客理解の深化を図りました。その結果、ユーザ単位での理解を可能にし、それにもとづいたユーザ一人一人に対し最適なコミュニケーションや提供体験の最適化を実現し、顧客体験向上に成功したのです。
この一連の顧客理解の深化はグローバルの事業へも展開されているということです。
まとめ
顧客理解は、自社の製品・サービスの顧客に対し、購買行動や属性などを分析し、顧客のニーズや考えを見出すものです。顧客視点で、商品の購入理由や不満点などを分析し、売り上げの向上や顧客の継続的な利用を促進を図ります。
顧客理解を深めるには、顧客行動の分析や分析対象のセグメント分けが有効です。また、セグメンテーション分析やデシル分析などのフレームワークも効果的に活用すれば、より顧客理解を深められるでしょう。
なお、インキュデータは、マーケティングデータの活用コンサルティングを提供しています。データを活用して顧客理解をより深めたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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