データ活用は今や当たり前に!メリットや課題・ビジネスで実施した事例を解説 -
更新日:2023年3月27日
今や世界中の多くのビジネスシーンで、データ活用は当たり前のものになってきました。日本もその例外ではありません。データ活用によって、客観的な経営判断やビジネスチャンス創出などが期待されます。
ただ、データ活用を成功させるには課題は少なくありません。また、すでに多くの企業ではデータ活用を行っているため、その成功例を研究すれば、あなたの会社で行いたいデータ活用に役立つのではないでしょうか。
そこでこの記事では、データ活用の意味やメリット、課題を解説した上で、データ活用を実施した企業の事例についても詳しく解説します。
データ活用とは
ここでは、データ活用の基礎知識について、以下の2つを解説します。
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- 多くの企業がデータ活用に乗り出している
- 取り扱う主なデータ
それでは、1つずつ解説していきます。
多くの企業がデータ活用に乗り出している
データ活用とは、社内外で得られたデータをビジネスに活用することです。後述しますが、企業は、自社データに加えて社外データも活用することができます。それらのデータを活用し、企業経営をよりよくすることが、ここでいう「データ活用」なのです。今や多くの企業がデータ活用に乗り出しており、令和3年度の情報通信白書によると、日本でも5割近くの企業がビジネスにデータを活用していると回答しています。
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- 出典:第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済 (8)デジタルデータの活用状況|総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd112480.html
取り扱う主なデータ
データ活用で取り扱うデータは、社内データと社外データに大別されます。それぞれの意味は、以下の表にまとめたとおりです。
用語 | 意味 | 例 |
社内データ | 社内に蓄積されているデータ |
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社外データ | 社外に存在しているデータ |
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データ活用のメリット
ここでは、データ活用のメリットについて、以下の3つを解説します。
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- 現状把握や将来予測に活用
- データに基づく客観的判断が可能
- 新しいビジネスチャンスの発見
それでは、1つずつ解説していきます。
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現状把握や将来予測に活用
自社の現状把握や将来予測を正確に行うことは、企業経営に重要なポイントです。データ活用を進めることで、これまでに得られたデータをもとに素早く現状把握できる上に、根拠をもった将来予測も可能になります。
データに基づく客観的判断が可能
データ活用は、データに基づいた(データドリブン)客観的な意思決定に役立ちます。データドリブンな意思決定は、あくまでもデータに基づくもので、勘や経験に頼りません。そのため、周囲との認識共有や根拠のある意思決定のためにも説得力をもちます。
新しいビジネスチャンスの発見
データ活用により、複数のデータ同士を組み合わせて分析すると、単体だと一見意味の無さそうなデータからも、何らかの示唆を得ることのできるケースもあります。このことが、商品・サービスの開発・改善においてヒントになることもあるのです。
データ活用の課題
ここでは、データ活用の課題について、以下の3つを解説します。
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- データ活用を担える人材の確保
- データ活用目的の設定
- データ活用に必要な環境の整備
それでは、1つずつ解説していきます。
データ活用を担える人材の確保
ビジネスシーンでデータ活用を進めるには、データとビジネス両方の知見を有する人材が欠かせません。最初から全て自社内でデータ活用を担える人材を確保することは困難ですが、外部のリソースを活用する場合は、自社のノウハウとして蓄積されにくいことが課題です。そのため、現場勘と分析スキルの融合を図るべく、最初は外部の知識やノウハウを取り入れつつ徐々に自社内でデータ活用を担える人材の育成・確保を進めることがおすすめです。
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データ活用目的の設定
データ活用自体を目的にしては、その効果は十分に得られません。あくまでも大切なことは、どのような課題を解決したいかであって、目的が明確でないままデータを収集しても活用は困難です。また、データ活用の目的によって収集すべきデータも変わるため、目的の設定を一番最初におこなうことが肝要です。
データ活用に必要な環境の整備
大量のデータ収集や分析が可能な環境を整備できないケースでは、データ活用は実現できません。その場合は、まずは自社の目的に適合するデータプラットフォームを選ぶことが第一歩です。また、最初にデータプラットフォームの導入・運用をする際には、ほとんどの場合外部パートナーを活用することになります。ただし、最終的にプラットフォームの定常運用やチューニングを自社内の人的リソースだけで完結できると理想的です。
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データ活用をビジネスで実施した事例
ここでは、データ活用をビジネスで実施した事例について、以下の3つを解説します。
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- マーケティング
- オペレーション効率化
- 商品・サービス開発
それでは、1つずつ解説していきます。
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マーケティング
このスポーツコンテンツ配信会社では、とあるプロスポーツリーグ全体のコンテンツ配信を請け負っており、実際にスタジアムに来場するファンの獲得に貢献することが課題でした。そこで、顧客をセグメント分けし、来場数や顧客の属性ごとにアプローチを変更することとしたのです。これが一助となり、入場者数が4季連続でアップしました。
オペレーション効率化
この大手都市ガス会社では、顧客への付加価値創出に課題を感じていました。そこで自社事業間の連携を図り、シナジー効果によって付加価値を創出することを考えました。そのためにCRMを活用し、全社で統合されたデータから効率よく施策の検討ができるようにしました。
商品・サービス開発
このブランドバッグのサブスクリプションサービスでは、取り扱うバッグが多すぎるがゆえに、ユーザが好みのバッグが選べず、サービスを解約してしまうケースがあることが課題でした。そこで、顧客情報を分析し、利用申し込みが長期にわたって発生する傾向のあるバッグを優先的に入荷することとしました。その結果、会員の継続利用率95%以上を達成しました。
まとめ
データ活用に用いられるデータは、社内データと社外データに大別されます。これらのデータを活用することは、企業の現状把握や将来予測に役立つ上に、客観的なデータに基づく意思決定やビジネスチャンス創出にも有効です。
ただ、データ活用目的を明確にしないと、その効果は十分得られません。また、データ活用を行うための人材や大量のデータを収集・分析できる環境を確保できない場合は、そもそもデータ活用を実施できません。自社内でそれらを最初から全て確保することは困難なので、特にプロジェクトの初期段階においては、外部パートナーの活用も検討するべきでしょう。
なお、マーケティング活動において、データ活用の重要性はますます増大しています。インキュデータはマーケティングのデータ活用に関するサポートを行っていますので、マーケティング活動におけるデータ活用に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。