設立から三年、データ活用の専門家集団が目指す新たなシナジー
GROUP INTERVIEW
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ソフトバンク、博報堂、トレジャーデータの三社合弁で生まれたインキュデータ。間もなく設立三年を迎え、「テクノロジー×マーケティングコンサルティング×データ」のシナジーにより企業のDX支援の体制をますます強固にしています。現在どのような局面に立っているのか、プロジェクトの最新状況やインキュデータにおける新たな変化について、一線で活躍中の二名にお話を伺いました。
ソリューション本部
本部長/飯塚 貴之
外資系ソフトウェアベンダー、コンサルティングファームを経て現職。新規プラットフォーム事業の構想策定、FinTech事業の立ち上げ支援といった企画・構想段階から、データを活用した現場の業務改善、分析基盤構築やスコアリングモデル構築まで幅広く従事。PM/PMOのロールも多数経験。2021年10月より現職にてインキュデータのコンサルティングサービス全般を統括。
ソリューション本部
データマーケティングコンサルタント/及木 翔平
データを活用したコンサルティング業務に十五年程度従事し、データ活用戦略の立案や、KPI設計、PDCA伴走支援、デジタルマーケティング組織構築、データ分析トレーニングなどを提供。インキュデータではCDPを活用したPDCA領域のコンサルティングを担当。
三社のシナジーをさらに引き出すべく再編された「新生インキュデータ」
──改めて、インキュデータのミッションと独自の強みについてお聞かせください。
飯塚 貴之
当社は、データとテクノロジーを掛け合わせることで、お客さまのビジネスを変革し、その先にいる生活者の顧客体験を変革していくことをミッションとしています。
巨大なプラットフォーマーを傘下に抱え、AIやテクノロジーを活用した企業のデジタル化に強いソフトバンク、生活者データを用いたマーケティング施策について実績のある博報堂、国内No.1のCDP(顧客データプラットフォーム)導入実績を誇るトレジャーデータ、この三社のアセットを掛け合わせ、お客さまのビジネス変革を実現できる。これこそ、インキュデータならではの強みだと考えています。
また、ソーシャルログインサービスの「Loghy(ロギー)」や同意管理プラットフォームの「Qonsent(コンセント)」などを当社独自で開発しています。プライバシー関連のコンサルティングサービスもリリースするなど、お客さまの課題やニーズに合わせてサービスの幅を広げており、積極的にプロダクト開発にも投資しています。
このように、データを軸とした戦略立案から分析基盤の構築・運用、施策の実行まで、ワンストップで支援できるのがインキュデータの特長で、スタートアップ企業でありながら、日本の名だたる大手企業とも取引させていただいています。
──間もなく設立三年を迎えますが、インキュデータはこの節目に組織再編を行われたそうですね。その真意についてお聞かせください。
飯塚 貴之
当社のコンサルティングサービスを提供するソリューション本部は五十名前後の組織となり、コンサルティングの売り上げは対前年1.5倍を達成しています。しかし、私たちはさらなる成長に向けて、組織のあり方そのものを見直し、全体最適を図る必要があると考えました。
というのも、お客さまが抱える課題は非常に複雑かつ多様化しており、特定のソリューションを提供するだけではなく、データ活用における一連のビジネス工程をワンストップで変革することが求められるようになってきたからです。
従来は三社の強みを生かすため、セールス部門はソフトバンク、プロモーション部門は博報堂、データマネジメントやCDP基盤構築部門はトレジャーデータ、と細分化された「事業部別」組織でした。ただ、先ほど申し上げたようにお客さまの課題解決に向けて複合的かつワンストップでサービス提供や支援を行うため、そして三社のシナジーをより強固にするため「機能別」組織へと再編。現状では、親会社三社の特定のソリューションに縛られず、顧客のニーズにピュアに向き合い、徹底してクライアントファーストを貫ける体制に生まれ変わっています。
実際、部門の垣根がなくなったことで、社内では日々の相談や情報共有が行いやすくなり、よりスピード感を持って変革を実現できる環境になっていると感じます。ありがたいことに、ソリューション本部の約八割を中途入社者が占めるまでになり、高い専門性を持つ人材が続々と加わっています。彼らが最大限能力を発揮し、より大きなシナジーを生み出していけるよう、「新生インキュデータ」として今後もさらに進化させていきたいと思っています。
今だからこそ、インキュデータ自体の変革にも関わっていける
──現在、インキュデータが新たに取り組んでいることがあれば教えてください。
飯塚 貴之
親会社のグループ企業とも連携し、グループシナジーによる革新的なビジネスを創出するための動きが加速しています。例えば、ヤフーやLINEのソリューションやデータアセットの活用を深化させるべく、リーダークラスの人材交流を始めています。データについては、お客さまが自社で保有するデータをトレジャーデータのCDPで統合し、ヤフーやLINEの3rdパーティデータをプライバシーセキュアな状態で掛け合わせることで、Cookieレス時代のマーケティングCRM(Customer Relationship Management)として新たな世界を広げていきたいと考えています。
また、メディアやクリエイティブを掛け合わせてDXを推進する博報堂の組織「HAKUHODO DX_UNITED」とも強力なタッグを組み、生活者にとって魅力的なエクスペリエンスを提供すると同時に、レスポンスデータを活用して、次の新しい体験を生み出すプロジェクトなどを進めています。
──コラボレーションの幅が多様で、活躍できる領域も非常に広そうですが、どういった方に仲間になってほしいですか。
飯塚 貴之
お客さまのビジネスを変革するために何ができるか、自分なりに考えて、それを実行していく力が求められるため、自律的に行動できる方は大歓迎です。「あなたの仕事はこれ」と決まっているわけではないので、自分の専門性を生かし、「これがやりたいです」と手を挙げて行動できる方、提案だけにとどまらず成果にコミットしていただける方であれば、即戦力としてご活躍いただけるでしょう。
また、私たちの会社はまだまだ成長の途上です。今このタイミングで加わることで、インキュデータ自体の変革にも関わっていける点、また一緒に会社を成長させていける点は醍醐味だと感じていただけるはずです。
先述の組織再編についても、私自身が主導して社長や役員にプレゼンテーションを行い、実現したものです。「今のインキュデータには何が必要か」「今後どんな姿になっていくべきか」を一緒に考え、どんどん発信していただける方に仲間になってもらえたらうれしいです。
──最後に、記事をご覧の方へメッセージをお願いします。
飯塚 貴之
私はかつて大手コンサルティングファームに勤務していたのですが、決められたポジションや役割の範囲でしか仕事ができないことがあり、ジレンマを抱えていました。インキュデータではそうした枠組みは一切ありません。
プロジェクトでは、お客さまの経営層と直接ディスカッションする場も多く、ビジネスの根幹に深く関わっている実感を強く持てますし、企画や構想策定だけではなく、データやソリューションを具体的に提供できる強みもあるので、「できないことはない」と言っても過言ではありません。
また、繰り返しになりますが、当社はまだ設立三年の創業期にあるため、制度や仕組み、オペレーションを自分たちで改善し、新しく創っていく余地がたくさんあります。組織づくりに関心をお持ちの方にとっても、絶好の環境だと思います。これまでの経験を生かして自身の可能性をさらに広げたいという方からのご応募をお待ちしています。
「データを軸にもっと裁量を持って仕事がしたい」と転職
──及木さんはデータを活用したコンサルティングやマーケティングの経験を積み、2020年7月に転職されたそうですね。転職のきっかけとインキュデータを選んだ決め手を教えてください。
及木 翔平
私は新卒で総合広告代理店のグループ会社に入社し、Webサイト制作に従事していました。入社して数年後、外資系のデジタルエージェンシーと資本提携し、会社自体がデータ活用の支援事業を強化するにあたり、Webサイトやキャンペーンサイトの改善や効果測定を行う部署へ異動しました。そこで初めてデータ計測・分析を経験し、「PV数は伸びているが、ビジネスとして成功しているのだろうか?」といった疑問を持つようになりました。そこから、データに基づく分析や意思決定にもっと深く携わりたいと思い始め、データ活用で定評のあるデジタルマーケティングのコンサルティング会社に転職しました。
そこでは約十年勤め、百人単位の大規模プロジェクトの支援やデジタル化に伴う組織構築、デジタルマーケティング人材育成など、幅広く携わりました。そこでの学びも大きかったのですが、改めて「データを軸にもっと裁量を持って仕事がしたい」と、再び転職を考えました。
データ活用に積極的な事業会社も検討したのですが、お客さまごとに多様な提案ができ、デリバリーも行えるコンサルティング業界に引き続き身をおきたいと考え、転職活動をしていたところ、インキュデータに出会いました。
会社としては、創業期のフェーズであったこと、そして親会社の巨大なアセットを存分に活用できる点に魅力を感じました。まだ整備されていない会社の仕組みづくりから関わることで、自身の新たなステップアップにつながる。そして、親会社の膨大なデータとノウハウを組み合わせて、これまでにない壮大なビジネス変革に挑戦できる。これまでにない新たな挑戦ができる場所だと確信して、入社を決めました。
──現在の担当業務と、印象的なプロジェクトをお聞かせください。
及木 翔平
私は今、ソリューション本部のなかでも、マーケティングやエンジニア、データ分析のチームがあるデータソリューション部で、マーケティングチームのリーダーを務めています。主に、CDPを導入されたお客さまのマーケティング活動の伴走支援をしており、具体的な施策やカスタマージャーニーを一緒に考えたり、実運用に向けたダッシュボード作成などを行ったりしています。
最近の事例では、複数の施設を運営するレジャー業界のお客さまにおけるOne to Oneコミュニケーション施策のプロジェクトがあります。もともとソフトバンクの営業部門で長年お付き合いがあったお客さまで、当社にご相談をいただきました。これは、オンライン上での顧客とのコミュニケーションをいかに最適化するかといった案件で、お客さま企業の施設ごとに分断されていた顧客データをCDPで統合・分析することで、一人一人に適したコミュニケーションを展開しようというプロジェクトです。
私は構想段階から参画しており、今はCDP導入のフェーズに入って、そこで顧客体験設計のリードを担当しています。ゆくゆくは、データを活用してレジャー施設内におけるアトラクションなどのオフライン体験の向上にもつなげていきたいと思っています。さらに、オフラインへの波及効果を可視化することで、スタッフ教育や業務プロセス改善、コスト削減など、より大きな付加価値をお客さまに提供していきたいと考えています。
──プロジェクトを進めるにあたって役立った社内でのサポートはありますか。
及木 翔平
はい。CDP導入プロジェクトでは、私自身、マーケティング領域についてはある程度知見があったものの、プロダクトやエンジニアの知識に関してはまだ深く理解できておらず、社内に蓄積されたノウハウを吸収しながら勉強しました。
そこで改めて「マーケターにもプロダクトやデータベースの知識が必要だ」ということに気づかされました。その点、当社にはトレジャーデータの検証環境があり、意欲さえあればいくらでも触れますし、トレジャーデータから出向してきているメンバーも在籍しているので、非常に心強かったです。
また入社時にも、CDPの技術面や操作方法が伝授される「トレジャーアカデミー」を受講できたので、職種を越えた共通言語の獲得にも役立ちました。ここで得た知見は、ドキュメント作成や業務標準化に生かされており、スムーズなプロジェクト運営の実現につながっています。
データを軸に、技術や組織づくりなど裾野を広げて成長できる
──及木さんがインキュデータで働くなかで感じる醍醐味は何でしょうか。
及木 翔平
個人的に「型」をつくれるところが当社の大きな魅力だと感じています。ここでいう「型」は二つの意味があって、一つ目はCDPを導入されるお客さまの現状の課題からビジネスの目的が達成されるまでの一連の「型」を指します。例えば、「データを通じてどんな未来を描くのか」「必要なデータは何か」「CDPをどう運用していけばいいのか」など、データ活用のあるべき姿をお客さまごとに定義し、型をつくっていけるのは当社ならではの醍醐味といえます。
二つ目は、インキュデータにとっての「型」です。当社は良くも悪くもまだ若い会社で決まった「型」がありません。そこで、自分の成功体験や反省した経験を社内のナレッジとして蓄積・共有することで、メンバーの成長につなげ、そしてインキュデータとして目指すべき新たな「型」を一緒につくっていけます。自分のチームでも今まさに、プロジェクトの進捗やナレッジを定期的に共有したり、ディスカッションを重ねたりしながら、「型」の構築を目指しているところです。
──最後に、インキュデータでキャリアを積み上げる面白さを教えてください。
及木 翔平
入社して二年たちますが、日々の業務を通じてデータ活用関連の知識が加速度的に深まっています。例えば、以前はすでに収集されたアクセスログや購買情報などのデータしか活用することができていませんでした。しかし今は、システムからデータを収集するところから携わるため、目的を達成するためにはどのデータを収集すべきか、という視点が必要になりますし、エンジニアが扱いやすいよう、インターフェース設計にも留意するなど、守備範囲が広がっているのを実感しています。
さらに、SQL(Structured Query Language)によるデータの抽出や集計、データサイエンスによる解析スキルなども意識しながら自身の幅を広げることができており、データ活用のプロフェッショナルとして何段階もレベルアップできていると感じます。今後は、CDPを活用したビジネス成功事例を、世の中にもっと多く送り出していきたいですね。
自らの領域を決めず、周辺領域にもどんどん手を広げていけるようなチャレンジングな方ほど、インキュデータという場を楽しんでもらえると思います。他社ではなかなか実現できない変革のダイナミズムを体感したい方は、ぜひお話だけでも聞きにきてください。
出典:ビズリーチ 公募ページ「インキュデータ株式会社」(2022年8月4日公開)より転載