モデリング(統計モデル・機械学習モデル)で進化するマーケティング戦略 〜顧客セグメントをデータで精緻化し、効果的な広告運用とCRM 施策へ〜

現代のマーケティング環境においてデータの収集は当たり前になりましたが、「データはあるが活用法がわからない」「データに基づく意思決定の方法が不明確」「データを十分に使いこなせていない」といった悩みを抱える企業は少なくありません。

本稿では、顧客データを分析して活用するマーケティング手法について掘り下げます。基本的な顧客セグメントの活用とともに、より高度な分析手法である「モデリング」により、精度の高いターゲティングを実現し、マーケティング活動の効果を最大化できます。

 

目次

1. 顧客セグメントを活用したファネル移行の促進

1.1 顧客セグメントの基本アプローチとその課題

1.2 広告配信によるCRM の補完 ・広告配信によるCRM の補完事例

2. 高度なデータ分析「モデリング」でマーケティングを進化

2.1 データ活用の課題

2.2 モデリングの基本概念と活用意義

2.3 モデルを活用した広告効果の検証・改善

・TVCM やYouTube 広告の実購買への効果計測

・広告接触が購買に影響するユーザの特定

・高LTV が期待される優良顧客の獲得

2.4 スコア(確率)を軸にした判断の重要性

2.5 モデリングによる顧客分析の三ステップ

3. 顧客データから確かな価値を導き出す

1. 顧客セグメントを活用したファネル移行の促進

マーケティング活動を改善する際には、顧客のセグメンテーションを実施してターゲットごとに適切なメッセージを届けることが重要です。それぞれの層に合わせたアプローチを行うことで、効果的に行動を促し、成果を最大化できます。

 

1.1 顧客セグメントの基本アプローチとその課題

顧客セグメントは、購買の有無と購買確率(購買の特徴を持つか)の二つの軸で区分すると、四つのセグメントに分けることができます(図1)。

まず、「優良購買群」は、すでに購買しており、購買の特徴も持つ層で、典型的な優良顧客に該当します。この層の特性を分析し、類似した特性を持つ新規顧客を獲得することが望ましいです。「不確定購買群」は、購買経験はあるものの、購買の特徴が不明確な層にあたり、一度購入したものの、その理由がはっきりしない顧客が含まれます。

「ポスト購買群」は、まだ購買に至っていない層です。購買の特徴を持つことから購買の可能性が高くナーチャリングの対象として適しています。「未優良購買群」は、購買の特徴を持たず、購買経験もない層であり、アプローチの優先度は低くなります。

この分類をもとに、特に「優良購買群」の特徴を理解し、その特性に基づいた新規顧客獲得戦略を立てることが重要です。

従来の「購買履歴のある顧客リスト」を活用した拡張配信※1では、「不確定購買群」も含まれてしまうため、LTV(顧客生涯価値)の向上を効率的に進めることが難しくなります。「優良購買群」に焦点を当てた戦略を取ることで、より質の高い顧客基盤を構築し、長期的な収益向上につなげることができます。

  • 1:拡張配信: 広告の配信対象を、年齢や性別などの属性情報に加え、興味関心や行動履歴などの情報に基づいて広げる配信方法。自社の顧客セグメントなどを用いて類似するターゲット層に合わせた広告配信をすることで、広告効果の向上が期待できる。

 

これらの顧客セグメントの中から優良購買群を増やすには、マーケティングファネルの各段階に応じたアプローチが効果的です。顧客のファネル段階(潜在層、興味関心層、検討層、購入層など)に合わせたコミュニケーション設計により、各段階に最適なメッセージを届けることができます。例えば、「ポスト購買群」の顧客に対しては、彼らが持つ購買特性に合わせた提案や、購入を後押しするようなメッセージを送ることで、購買行動を促進します。

潜在層(未優良購買群)には商品やサービスの基本的な価値を伝え、興味関心層には具体的な特徴やメリットを紹介し、検討層には競合との違いや詳細情報を提供するといったように、ファネル段階に応じてコミュニケーション内容を変えていくことで、顧客を段階的に購買へと導けるようになります。

しかし、セグメンテーションやファネル設計を行っても、CRMツールを通じてメッセージを届ける方法には課題があります。メールマーケティングの平均開封率は一般的に1020%程度、LINEなどのメッセージングアプリでも3050%程度にとどまるとされ、つまり最大で90%のユーザにアプローチできていないことになります。

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(記事抜粋)モデルによって得られるアウトプット

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